接戦のまま審判の日-米大統領選、トランプ氏の一方的勝利宣言に懸念
(ブルームバーグ): 結果判明まで時間がかかると予想される今回の米大統領選を巡り、首都ワシントンや大手報道機関、ソーシャルメディア運営企業の間では、一つの疑問が浮かび上がっている。共和党候補のトランプ前大統領が再び一方的に勝利宣言したらどうなるかという問題だ。
各世論調査ではトランプ氏と民主党候補ハリス副大統領の大接戦が予想されているが、選挙結果もしくは大勢が5日夜に判明する可能性もある。
しかし、最終的な票の集計に数日かかるとみられる中、トランプ氏が一方的に次期大統領の座を宣言するのではないかという観測や懸念は強まっている。最大の懸念は2020年大統領選の再現だ。現職大統領だったトランプ氏は自身が選挙に勝ったと虚偽の主張を行い、票を集計中の州が不正行為を行っていると非難した。
そうした発言が選挙後の流れを決定づけた。トランプ氏の周辺や支持者からは選挙結果に対する法的な異議申し立てが相次ぎ、最終的に同氏支持者はバイデン氏の勝利認定を阻止しようと連邦議会議事堂を襲撃するに至った。
投票は5日に締め切られ、一部の州では同日夜に大勢が判明する。一方で集計に数日を要するとみられる州もある。
トランプ氏は3日にABCニュースに対し、選挙当日の夜には勝者が明らかになることを見込んでいると語った。その後、ペンシルベニア州での集会では、結果判明には「数週間かかるかもしれない」と示唆し、民主党がその期間を利用して選挙を盗むだろうと証拠も示さずに述べた。
激戦州の一つであるミシガン州では集計を迅速化する措置が取られており、一部で前回の2020年選挙よりも結果が早く出るかもしれない。ただ、ウィスコンシン州とペンシルベニア州などでは、期日前投票の開票および集計作業は選挙当日まで認められていない。
「想像してみてほしい。彼らは機械に大金を費やしているのに『結果判明までさらに12日かかるかもしれない』と言うつもりなのだ。その12日間で一体何が起こるだろうか」とトランプ氏は語った。