接戦のまま審判の日-米大統領選、トランプ氏の一方的勝利宣言に懸念
「準備はできている」
ハリス氏陣営は集計の遅れに乗じてトランプ氏が勝利を宣言し、骨の折れる集計プロセスを不正行為だと非難することを想定している。
そうした勝利宣言は各放送ネットワークやAP通信による当確報道を待たずに行われる可能性があるが、ソーシャルメディア上では急速に広がり、トランプ氏の訴えが独り歩きするのを助長することになるだろう。
ウィスコンシン州のエバーズ知事(民主)は「深夜になって『私が勝った』とドナルド・トランプは言うに違いない。それに対応する準備はできている」と記者団に述べた。
ハリス氏陣営のジェン・オマリー・ディロン選対委員長は、トランプ氏が勝利宣言をした場合でも心配しないよう支持者に呼びかける動画を投稿した。
同氏は「惑わされないように。心配も無用だ」とし、「選挙戦を監視し、過去数回の選挙期間で集計と発表を行ってきた超党派の決定機関は、ドナルド・トランプの発言に左右されることはないだろう」と語った。
しかし、トランプ氏による虚偽主張や誤情報は、以前にも増して広く拡散する方向にある。
ソーシャルメディア
フェイスブックは偽情報対策を縮小している。イーロン・マスク氏のXは偽情報対策を弱めただけでなく、同氏自身が偽情報の拡散源となってしまった。
フェイスブックの親会社であるメタ・プラットフォームズの広報担当者は、候補者が選挙結果に異議を申し立てたり、早々と勝利宣言をした場合には「対応する用意がある」と述べた。
前回の選挙と比べてソーシャルメディア面での最も大きな変化は、旧ツイッターのXだろう。マスク氏はこれを共和党のメッセージ発信ツールに変えた。
トランプ氏の選挙陣営はコメントの要請に応じなかったが、同氏の顧問を努めるジェイソン・ミラー氏は記者団に対し、「270人(大統領選の勝利に必要な選挙人の数)を超えると確信すれば、その後に勝利宣言を行うつもりだり」と述べた。選挙人の集計にどのような手段を用いるのかについては言及を避けた。