声だけで買い物できる「ボイスコマース」が描く未来 2030年には市場1.5兆ドル…新たに生まれる仕事・キャリアは
(5)ボイスコマースプラットフォームに関わる業界・仕事
ボイスコマースプラットフォームに関わる業界・仕事として、ボイスコマースプラットフォームの開発側と、活用し商品を販売する側に分けて紹介します。 ボイスコマースプラットフォームの開発側 ボイスコマースプラットフォームを構築する上で、自動音声認識は必須のシステムになります。そのためAI開発や、システムの構築などを得意とするIT業界は関わりが深いです。また、既存のボイスコマースプラットフォームを社会実装していくためには、多くの小売業が活用し、商品を販売していくことが必要となります。小売業者にサービスを伝え導入をサポートする代理店業も必要な仕事です。 電話を用いたボイスコマースプラットフォームでは、音声の確認でコールセンターから、ユーザーへのコールバックが生じることがあります。「受注はボイスコマースプラットフィームで行い、確認のためのコールバックは人が行う」という運用により、新たに通信販売を開始した小売業者からのコールバック需要が増え、結果的にコールセンター事業の総需要の増加が見込まれます。 ボイスコマースプラットフォームを活用し商品を販売する側 小売業は密接に関わります。ボイスコマース担当者という仕事が生まれ、ボイスコマースを通じた売上拡大がミッションとなります。スマートスピーカーを利用したボイスコマースプラットフォームが浸透すれば、SEO対策のように、スマートスピーカーからレコメンドしてもらうためのアルゴリズムの研究が必要かもしれません。また、自動音声を芸能人やインフルエンサー、キャラクターの声に変えられるプラットフォームを活用する場合は、著名人とのタイアップ商品企画といった仕事も必要になるでしょう。
(6)ボイスコマースプラットフォームの分野で築くキャリアパス
ボイスコマースプラットフォームに関わる分野において、様々な職種が増えることが予想されています。それぞれのプラットフォームの構築・運営に携わる仕事はもちろんのこと、企業における活用が進んでいくことで、これまでなかったようなキャリアパスが生まれてくることが予想されます。 <今後増えると予想されている仕事> ・プラットフォームの構築・運営 ・既存のECサイトとボイスコマースプラットフォームの連結 ・ボイスコマースを活用した消費体験のプランナー ・声と連動した商品開発 ・人とボイスコマースプラットフォームとのハイブリッド形式のコールセンター 日本国内ではまだ成長過程にあるボイスコマースプラットフォーム。今後消費の中心となり声だけで商品を購入する世の中になるのか、利便性だけでなくエンタメと掛け合わせワクワクするような消費体験が生まれていくのか、各種サービスの共存や新たなサービスが登場するのかによってもキャリアの選択肢は変わってくるかと思います。ぜひボイスコマースプラットフォームの動向について注目してみてください。