声だけで買い物できる「ボイスコマース」が描く未来 2030年には市場1.5兆ドル…新たに生まれる仕事・キャリアは
近年、スマホにも搭載されている音声アシスタント機能の技術が発達し、スマートスピーカーなどが広く家庭にも普及し始めています。この機能を活用して、音声のみで顧客が購買行動を行う「ボイスコマース」が新たな購買方法として注目を集めています。 【グラフ】エクセルで「マクロを作成できない」人の割合は? 会社員1010人に聞いたITスキルの現状 今回は、「ボイスコマース」の市場規模や活用事例から、「ボイスコマース」によって生まれる新たな仕事・キャリアについて一挙にご紹介します。
(1)ボイスコマースプラットフォームとは?
「ボイスコマース」とは「声だけで通信販売を利用し商品を購入する」という購売方法のことをいいます。声だけで商品を購入するという体験を提供するために「消費者の声を、コンピュータが認識し、注文を受け付ける」仕組みが、ボイスコマースプラットフォームです。ボイスコマースは、eコマースやMコマース(モバイルコマース)に続く新たな購入方法として活用が進んでいます。
(2)注目される背景と市場規模
注目される背景の1つには、アメリカの大手IT企業が、ボイスコマース事業に参入していることが挙げられます。 ボイスコマースプラットフォームは、2017年にアメリカのIT大手Amazon(アマゾン)が、スマートスピーカー「Echo」の販売を開始したことで注目を浴びました。スマートスピーカーの音声認識サービスを活用することで、消費者の声による情報だけで注文を受け付ける仕組みをつくっています。 それに続くようにGoogle(グーグル)でもボイスコマースプラットフォーム事業に参入。Walmart をはじめ、Costco Wholesale、Targetといった大手小売業者などがグーグルのボイスコマースプラットフォームを利用し商品販売を開始しました。日本においてもボイスコマースが影響を与える市場は大きいと期待され、新たなプラットフォームも登場しています。 グローバル・インフォメーション社が発表した市場調査レポート「ボイスコマースの世界市場」(出版日2024年9月27日)によると、2023年のボイスコマースの世界市場は推定405億米ドル、2030年には1479億米ドルに達すると予測されています。 このような市場規模の拡大と急成長から、ボイスコマースプラットフォームを利用し、商品を販売する事業者が世界的に増加しています。