「習い事バス」車内置き去り対策、安全装置の義務や補助なし 専門家「熱中症事故防止へ行政は対策を」
こうした現状に、大阪教育大の藤田大輔教授(安全教育学)は「事故が起きた後では遅い。国や県は習い事のバスも含めて対策を講じてほしい」と話す。 夏が近づき、日中の気温は上昇している。日本自動車連盟(JAF)熊本支部は「車内の温度は50度近くに上がることがあり、子どもらを残したままにするのはとても危険」と注意を呼びかけている。(遠山和泉) ◆安全装置導入「保護者も安心」 沖縄の水泳スクール バス車内への子ども置き去り事故を防ぐため、行政の補助対象外で独自に安全装置を設置している事業所もある。沖縄県内で6教室を展開する「沖縄スイミングスクール」は2023年5月、送迎バス27台全てに装置を取り付けた。 同社では以前、送迎担当者が確認を怠り、車内で寝ている子どもに気付かず車を離れたことがあった。再発防止のため「降車時確認式」の装置を導入。スタッフが自ら取り付け、費用は総額約70万円に抑えた。
同社の担当者は「安全装置はあくまでヒューマンエラーを補うためだが、保護者はより安心して子どもを預けられるようになったと思う」と話す。(遠山和泉)