中学受験での「偏差値」は絶対ではない。正しい向き合い方と失敗しない学校選びのコツ
中学受験での「正しい」偏差値の活用方法は?
では、中学受験において「偏差値」はどのように活用するのが正解なのでしょうか。 「単元ごとの習熟度を測るために参考にするのはもちろんですが、継続的に模試を受ける中で、『前回からどれだけ伸びたか』を見るのに使うのが基本。その際、母体が違うと比較ができないため、“同じ模試”を受け続けることが大事です。主催団体や種類の違う模試をあれこれと受けても、成長の判断材料にはあまりならないのでご注意を」 ちなみに、後藤さんによると、偏差値重視で学校選びをする家庭は、以前より少なくなってきているとのこと。 「首都圏で上位校を目指す家庭の中で、海外大学進学を視野に入れた『グローバル教育』を前面に掲げる学校の人気が、俄然高まっています。渋谷学園幕張、渋谷学園渋谷を筆頭に、広尾学園などへの注目度が高く、いわゆる御三家や筑駒(国立の中高一貫校、筑波大学付属駒場)に合格しても、これらの学校に進む子どもも多いよう。高偏差値や伝統にとらわれない学校選びがトレンド化している例のひとつと言えるでしょう」
“偏差値に頼らない”学校選びの3ステップ
「学校選びにおいて、偏差値は最重要ではない」とはいえ、なにかしらの判断材料がないと、目指す学校は決められないもの。そこで、これから中学受験をスタートしようと考えている親子に向けて、“入学後に後悔しない”おすすめの学校選びの方法を教えてもらいました。
●ステップ1:家から1時間で行ける範囲の円を描き、その中に入る学校をリストアップする
「通学の負担が大きいということを理由に、不登校になる子どもは少なくありません。せっかく入学した学校に楽しく通い続けられるよう、まずは家から『近い』学校を探してください。『乗り換えが少ない』『上りではなく下り電車を利用』などの条件つきであれば、多少遠くても子どもの負担が減るので、候補に入れてOKです」 また、子どもの体力によっては、もう少し範囲を広げて探してもよいといいます。 「なお、大学附属の学校は、たとえ通学時間がかかったとしても、そのぶん大学受験という大きなハードルがないため、この限りではありません」