<街ぶら>ロケ地の常連 90年の歴史感じる大阪府庁本館へ
<街ぶら>ロケ地の常連 大正ロマン感じる大阪府庁本館へ THEPAGE大阪
大阪市中央区の「大阪府庁本館」は、1926年10月31日に完成し現在も府の各部局が入り使われているという歴史のある建物。近年でも映画のロケ地として活用されるなど、全国的にも魅力ある建物だ。しかし、府民が用事で来庁する機会はあまりないかもしれない。そこで、今回の街ぶらは、そんな歴史建築物の中を府の広報担当副知事を務める「もずやん」と散策する。
映画やドラマのロケ地で常連の正面玄関
現在の府庁本館は3代目となり、大阪城の西側に位置する陸軍用地の払い下げを受けて完成したという。後に名古屋市役所なども手がけた平林金吾、岡本馨両氏の共同設計が採用された。 総工費は384万2600円。これは、当時の府の一般会計の年間予算規模が約2200万円だったため、約18%にもあたる大事業だったという。明治末期から昭和初期に建設された府県庁舎の中でも壮大なもので、鉄筋コンクリート構造を積極的に導入したのも特徴的といえる。 四角い外観の庁舎だが、正面玄関にには上品なデザインの石材で中央には大階段がある。そして3階まで吹き抜けのホールとなっており、近年では映画「プリンセス・トヨトミ」(2011年)、HERO(2007年)でも使用された。 このほか、テレビドラマでもNHK朝の連続テレビ小説「ごちそうさん」で、主役の杏演じるめ以子が空襲で心斎橋駅に逃げ込むシーンが撮影されたという。これも歴史ある建物だからこそ撮影しやすい利点があるのだろう。 その歴史を現すものはほかにも目に映る。建物に使用されている大理石などをよく眺めてみると、アンモナイトが発見できる。特に南玄関壁面のアンモナイトは特徴的で看板なども掲げられている。取材時は工事中でその様子を写すことはできなかったが、こうした発見もおもしろい。 また、現在は本館で耐震工事が行われているため、ふだんなら見ることができない天井裏もあらわになっている。これにより、天井の板がはずされ、90年前の建築時にあらわとなっていた天井部分を眺めることができる。2月下旬時点で、正面玄関を入ってすぐ左の廊下の部分などは、天井裏があらわとなっており、細かい部分まで装飾されたつくりを長めることができる。 職員に聞くと「別にここへ一般の方も入っていただけますし、こうした建築物に興味がおありの方がいれば、ぜひいらしてください。例えば、エレベーターなんかも当時と機械など中身は変わってますが、入り口とかは塗装されてはいますが当時のままですからね」と話していた。