<街ぶら>ロケ地の常連 90年の歴史感じる大阪府庁本館へ
ブラック・レインで印象的なロケを行った正庁の間
続いて、庁舎5階にある「正庁の間」を訪ねてみると、こちらも大正時代を表すような装飾レリーフが随所に施され、5~6階の2層吹き抜け天井や窓に設置されたステンドグラスも特徴的だ。
ただ、ここは近年、庁舎が狭かったことから執務室となっていた関係もあり、2011年に庁舎完成時に近い形にしようと復元改修が行われ、きれいに生まれかわった場所でもある。 ここもかつて映画「ブラック・レイン」(1989年)の撮影場所として使われた。当時、夕刊紙の記者として府庁に詰めており、撮影の模様を取材したというライターの岡村雅之さんは「当時じっくり取材をしようとしましたが、なかなか庁舎での撮影を取材させてもらえなかった。そして、やっとこの正庁の間で撮影するシーンを取材することが許されたんです」と当時を振り返る。 なんと、映画ではこの場所が「剣道場」という想定だったため、窓などはふさがれ、寒い中、高倉健さんやマイケル・ダグラスが竹刀を手に演技をしていたという。「何度もなんども同じことを繰り返しながら撮影に臨む健さんの姿は今でも目に焼きついてますね」と岡村さん。府庁の職員も「当時を知る人はもう少ないと思います。私も作品を見ましたがこの場所が剣道場のシーンだったとは今知ったので、また改めて見てみます」などと話していた。 この正庁の間は、毎週水・金曜日の午前10時から午後5時まで、一般の見学が可能となっているという(祝日、年末年始は除く)。
大阪を代表するキャラに成長中です「もずやん」
また、今回の取材の案内役を買って出てくれた広報担当副知事を務める「もずやん」の活躍ぶりも注目だ。もともとは1997年のなみはや国体で活躍した「モッピー」だったが、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に同名のキャラクターがいたことから名前の変更を余儀なくされ府民らから名前を公募。そして、1905件の応募の中からめでたく「もずやん」という名がつけられ、USJでそれを発表するというユニークな演出が話題を呼んだ。 以来、全国ネットのテレビ番組から吉本新喜劇、地元のイベントなどに多数出演。かつては「キャラが多すぎる」と言われた大阪府の、代表的なキャラクターとして、広報担当副知事の役目を果たしている。 先の「正庁の間」でも、人気アイドルグループNMB48のメンバーと自身の歌「タッタカもずやん」のプロモーションビデオを撮り動画サイトで公開するなど動きも活発だ。 2月中は、大阪の特産品で地域経済の活性化を図ろうと「大阪いいもん・うまいもん市」の周知に全力をあげている。これからの活躍ぶりにも注目だ。