ChatGPTであなた専用の雑談相手を作る方法 (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック(横須賀輝尚 著)』
急激な進化を続けるAIをどのように業務へ取り込むか?これは多くの企業やビジネスパーソンにとっての課題です。 「生成AIの活用というと、プロンプト(指示)の作成に焦点が置かれがちです。しかし、"ユーザー自身の情報を前提とした出力"という新たなアプローチを行うことで、生成AIのより深い活用が可能になります。」こう話すのは、経営コンサルタントで士業(特定行政書士)でもある横須賀輝尚氏。2023年に生成AIが登場したときから活用方法を研究し、「MyAI」という手法を開発しました。生成AIとの新たな付き合い方とはどのようなものなのでしょうか? 『「ムダ仕事」も「悩む時間」もゼロにする GPTsライフハック』(技術評論社)より、一部抜粋・編集しお伝えします。
■GPTsの基本操作
ChatGPTを自分用にカスタマイズできる機能が「GPTs」。このGPTsの活用として私が開発したあなたの情報をもとに回答してくれる「My AI」ですが、大前提としてGPTsは2024年10月時点では有料プラン、具体的には「ChatGPT Plus」以上に登録しないとできません。 正確に言うと他人が作って公開しているGPTsを利用するだけであれば無料版・有料版関係なく使えるのですが、作成は有料版のみです。ChatGPT Plusは月額20ドルかかりますが、これは必要な投資として、有料契約を進めてください。 GPTsの作成画面には「作成する」と「構成」という2種類のボタンがあり、それぞれでGPTsの作成方法が違います。 「作成する」は、通常のChatGPTと会話するのと同じように、チャット形式でChatGPTに相談しながら作っていくスタイル。「構成」は、会話はせずに自分で各項目に入力をしていくというスタイルです。 「構成」の方が自分にあったGPTsを確実に作成できるので、本稿では「構成」を選択して進めていきます。練習として、「構成」で「軽い雑談ができるAI」を作ってみましょう。 「構成」で入力する各項目の意味は、次の通りです。 ==== 名前:GPTsの名前を入れます。今回は「私の雑談用GPT」とか「雑談用MyAI」などと入れておくといいでしょう。 説明:「どんなGPTsか?」を、他の人に説明するための欄です。これは書いても書かなくても大丈夫ですが、一言メモのように書いておくといいと思います。今回は「雑談してみよう」と入れておきます。 指示:ここにプロンプト(GPTsへの命令文)を入れます。具体的な入力内容は後述します。 会話の開始者:これは、このGPTsとチャットをスタートする際、都度テキストを手入力する手間を省き、ボタンワンクリックで始めるためのスタートボタンを作るための欄です。設定しなくてもいいのですが、今回は「おはよう」「ちょっといい?」「いま、暇なんだけど」「……」と4種類用意してみます。 知識:ファイルデータをアップロードできます。ここにデータをアップロードすれば、この内容を読み取って回答してくれます。ただし、執筆時点ではきちんと整理された情報を読み込むことはできるものの、打ち合わせやセミナーの文字起こしなど、整理されていない情報に関しては、まだ読みが甘いようです。 機能:「ウェブ参照」は、最新のウェブ情報を検索してから、回答する機能です。「DALL-E画像生成」は画像生成機能、「コードインタプリタ―とデータ分析」は、プログラミングの際にコードを実行するための機能です。デフォルトでは「コードインタープリターとデータ分析」のみ未チェックだと思いますが、現時点ではチェックを外しておいて問題ありません。 ==== 右上の「作成する」ボタンをクリックすると、「GPTを共有する」という画面が中央に表示されます。「アクセス」の欄で「私だけ」を選んで保存すれば、自分だけが使えるGPTsができあがります(「リンクを受け取った人」を選んで保存すれば、あなた以外にもGPTsを共有できます)。 保存後に出たウィンドウから「GPTsを表示する」を選ぶと、作ったGPTsにすぐに飛べます。ほか、ChatGPTの画面左のサイドバーにも作成したGPTsが表示され、ここからも利用が可能です。 なお、ChatGPTに触り始めて間もないような方は、「作成する」のほうから壁打ち感覚で作ってみるのもよいと思います。とにかくまずは触って、慣れることが重要です。