「スマホ問題」で人気騎手が引退、相次ぐ不祥事…2024年“競馬界の十大ニュース”を振り返る「2023年は明るい話題が上位を占めていたが…」
3位 GI初勝利の騎手続出
天皇賞・春では菱田裕二、ヴィクトリアマイルでは津村明秀、宝塚記念では菅原明良、スプリンターズステークスでは西村淳也、阪神ジュベナイルフィリーズでは岩田望来と、GI初勝利を挙げた騎手が5人も現れた(外国人騎手を除く)。
2位 初老ジャパン、日本馬術勢として92年ぶりのメダル獲得
総合馬術団体日本代表「初老ジャパン」の大岩義明、戸本一真、田中利幸、北島隆三の4人がパリ五輪で銅メダルを獲得。日本の馬術勢としては1932年ロサンゼルス五輪の障害飛越で金メダルに輝いた西竹一以来92年ぶりのメダルという快挙だった。戸本はJRAの職員。4人は有馬記念などGIの誘導馬に騎乗することも多くなった。
1位 スマホ不正使用で人気騎手引退
調整ルームで通信、通話が禁じられているスマホを使用し騎乗停止処分となった藤田菜七子が10月、永野猛蔵が11月に騎手を引退し、一般メディアでも大きく報じられた。 それに先立ち、2023年春には6人の若手騎手がスマホの不正使用で騎乗停止になっており、24年に入ると、7月に水沼元輝、10月に小林勝太が(永野も)スマホの不正使用で騎乗停止となるなど、不正使用がつづいたなかでの出来事だった。同時期に、騎手同士の暴力沙汰、飲酒運転、乗用車での競馬場芝コースへの侵入、調教助手による傷害事件なども重なり、ただでさえギャンブルとして白眼視されやすい競馬のイメージが、さらに悪くなりかねない状況になった。 それに加え、12月には岩田康誠が移動中にスマホのYouTubeで音楽を聴いて騎乗停止となるなど、悪いニュースがつづいた。 調整ルーム内や、開催中の競馬場、他場への移動中は、双方向の通信が可能な機器の使用は禁じられている。公営ギャンブル以外の博打が御法度の日本にあって、競馬法により馬券発売が特別に認められているのは、公正に運用するという大前提があるからだ。そこに抵触した場合、主催者は、過失か故意かは問わず、一律にルールを適用する。厳しすぎるという声もあるようだが、こうすることもまた公正な施行のひとつなのである。 これが2023年の十大ニュースなら、「イクイノックス、レーティング世界一」「リバティアイランド、牝馬三冠制覇」「JRA初の女性調教師誕生」など明るい話題が上位を占めていたはずだが、残念ながら、24年はスマホ問題を1位にしないわけにはいかない状況になってしまった。
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