石破氏が総裁選出馬会見(全文1)政治と行政の信頼回復へ「100日プラン」
●世代間・地域間格差
第2に世代間において、あるいは地域間において格差が固定化しつつあるということであります。豊かな人々がより豊かになり、豊かな地域がより豊かになっていく。それが全ての人々、全ての地域、広がっていくわけではありません。格差、それを変えていかなければならない。是正していかねばなりません。 今、主婦の方々、パートの皆さま方を除いた非正規労働者、930万人おられます。年収は186万といわれております。どうして世帯が持てるのか。どうしてお子さんが欲しいな、そういう思いがかなえられるのか。ご両親と同居であれば、今暮らしていただいておりますが、そうじゃなくなったときにどうするのか。そのことにわれわれは目を向けていかなければなりません。食料をつくり、エネルギーをつくる、出生率が高い地方が衰退をして、食料をつくらず、エネルギーをつくらず、出生率が低い東京だけが残る日本、そういう日本を次の時代に残してはなりません。 東京は文化の中心であり、経済の中心であり、金融の中心地としてこれから先も日本を牽引していかねばなりません。しかし災害、超高齢化、東京にかかる負荷を減らしていかなければならないと私は思っております。東京は東京、地方は地方なのではありません。どのようにして一体的な発展を図るかであります。
●安全保障・経済環境
さらに激変する安全保障環境、経済環境、わが国を取り巻く状況は、今までとはまったく異なってまいります。これに対応していかなければなりません。そのために私は設計図を書き換えたいと思っています。政治への信頼が必要だというのは、まさしくそのような状況にわれわれが直面しているからであります。
●政治と行政への信頼回復
われわれ自由民主党はかつて野に下りました。谷垣総裁の下で私も政調会長を務めました。政策が間違っていたというより、自由民主党の在り方が国民の皆さま方から拒絶されたのだ、そういう思いの下に私どもは自由民主党の在り方というものを徹底的に見直し、党の憲法である綱領を見直しました。そこにおいて何を定めたか。自由民主党は自由闊達に勇気を持って真実を語り、決断する政党である。自由民主党はあらゆる組織と対話し、調整する政党である。自由民主党は政府を謙虚に運営する政党である。自由民主党は政策をつくり、条件をつくるに当たって、全ての人に公正であらねばならない。その思いを決して忘れてはならないと思っております。 具体的には1つだけ申し上げさせていただきます。政治と行政の信頼回復の100日プラン。100日というのは年内を想定いたしております。そういうプランの作成を早急に実行に移してまいります。官邸の信頼回復。官邸においてどのような意思決定がなされるか。内閣人事局の在り方はあくまで国民に奉仕する。そのような観点から見直していきたいと思っております。公正、客観性、国民の視点、それを欠いてはなりません。 そして国会の信頼回復。わが党の若手の方々が提言しておられます。いかにして国会の運営を公正にしていくかということであります。そして行政の信頼回復。それは地方と中央の役割も見直していかねばなりません。行政の在り方も見直していかねばなりません。そこにおいてあくまで行政は国民に対するサービス、そのためにあるものということを決して忘れてはなりません。あくまで国民本位な政治をつくっていく。そのための信頼回復100日プラン、これが最も急ぐことである、私はそのように考えております。これを実行に移してまいります。