ナダルが五輪前哨戦でレジェンド、ボルグの息子に勝利!「とても光栄。彼には素晴らしい未来が待っている」とエール<SMASH>
現在開催中の男子テニスツアー「ノルデア・オープン」(7月15日~21日/スウェーデン・バスタッド/クレーコート/ATP250)は現地16日にシングルス1回戦が行なわれ、今季限りでの引退を示唆している元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現261位)が登場。ワイルドカード(主催者推薦)同士の対戦で地元勢のレオ・ボルグ(スウェーデン/同461位)に6-3、6-4で快勝し、2回戦へ駒を進めた。 【動画】ナダルとボルグJr.が対決!「ノルデアOP」1回戦ハイライト 4月中旬に左足上部のケガから約3カ月ぶりの復帰を遂げた38歳のナダルは、まもなく開幕するパリ五輪(テニス競技は7月27日~8月4日/クレー)の準備のため、「ウインブルドン」を含む芝シーズンをスキップ。五輪前哨戦として臨んでいる今回のノルデアOPが、5月末の「全仏オープン」以来約1カ月半ぶりの実戦となった。 五輪では同郷の若きヒーロー、カルロス・アルカラス(スペイン/3位)とダブルスに出場するナダル。それを見据えてか今大会には単複で参戦しており、ダブルスではクレーコーターのキャスパー・ルード(ノルウェー/9位)とペアを組んでいる。現地15日の初戦で同ペアはG・アンドレオッジ/M・レジェス-バレラ(アルゼンチン/メキシコ)に6-1、6-4で勝利。2回戦ではR・サフィウリン/T・アリバジェ(ロシア/フランス)と対戦する。 一方、シングルス初戦では四大大会11勝を誇る男子テニス界のレジェンド、ビヨン・ボルグ氏(元1位/68歳)の息子で、昨年のノルデアOPで記念すべきツアー本戦初勝利を飾った21歳のレオと対戦。序盤はブランクと悪天候の影響からかナダルらしくないミスが続いたが、試合が進むにつれてプレーのレベルが上がり、相手のバックハンドに軌道の高いボールを送って主導権を掌握。各セット1度ずつブレークを奪い、1時間25分でストレート勝ちを収めた。 優勝した2005年大会以来実に19年ぶりにノルデアOP初戦突破を果たした赤土の王者は、試合後のインタビューで健闘した21歳に向け、期待を込めながら次のようにコメントした。 「私にとって、このスポーツの歴史上最も偉大なレジェンドの息子と対戦できたことは、とても光栄なことです。彼はとてもいいプレーをしたと思うし、彼には素晴らしい未来が待っているでしょう。幸運を心から願っています」 最後にナダルは会場に詰め掛けたファンに対する感謝の言葉をこう口にした。「満員の観客の前でプレーすることは、僕にとって大きな意味があります。これまで厳しい瞬間を迎えた時にはチームの助けで頑張ることができましたが、もちろんファンがくれる声援も大きな支えになっていました。彼らは私に素晴らしいエネルギーを与えてくれます」 2回戦では第5シードのキャメロン・ノーリー(イギリス/42位)と対戦するナダル。どんなプレーを見せてくれるのか注目しよう。 文●中村光佑