【秋華賞展望】2冠狙うチェルヴィニア&ステレンボッシュが不動の中心 伏兵の台頭はあるか?
[GⅠ秋華賞=2024年10月13日(日曜)3歳牝、京都競馬場・芝内2000メートル] 「3冠牝馬誕生」という〝歴史的瞬間〟が近10年で3度も刻まれている秋華賞。その一方で、春のタイトルにはあと一歩届かなかった組のリベンジV、もしくは上がり馬の一気の頂点奪取というシーンも。姉ヴィルシーナ(2012年2着)の無念を晴らした16年ヴィブロス、母娘制覇を果たした21年アカイトリノムスメ(母アパパネ)、〝バラ一族〟悲願のGⅠ制覇を達成した22年スタニングローズ…3冠達成の偉業だけでなく数々のドラマが繰り広げられてきた牝馬3冠最終戦、今年はどんな結末が準備されているのか? 主役は春の2冠を分け合い、直行ローテで臨む関東馬2頭。オークス馬チェルヴィニア(木村)は13着に敗れた桜花賞から鮮やかな巻き返しを見せた。祖母ハッピーパス、母チェッキーノはともに3歳春に世代上位の走りを見せながら秋は不出走。オークスで母と祖母のリベンジを果たしたチェルヴィニアが2冠達成なるか。 桜花賞馬ステレンボッシュ(国枝)はオークスではチェルヴィニアに半馬身差惜敗。惜しくも3冠挑戦への権利を逃した。桜花賞制覇時と同じように早めの栗東入りで本番に臨む。管理する国枝調教師はアパパネ、アーモンドアイ、アカイトリノムスメに続くトップ独走の秋華賞4勝目を狙う。 このGⅠ馬2頭に秋の各トライアルで好発進を決めた組が挑む図式。春2冠で8→4着に敗れたクイーンズウォーク(中内田)はローズSを快勝し、ひと夏越しての成長ぶりをアピールした。昨年のリバティアイランドと同じくデビューから手綱を取り続けるコンビだけに、鞍上・川田にとっても期するものがある3冠目だろう。 近年、本番との関連度の高い紫苑Sを制したのはクリスマスパレード(加藤士)。しかも1分56秒6という驚異のレコードVだった。器用な立ち回りと先行力を生かせそうな京都内回りはピッタリの印象で、ぶれずに中距離戦線を歩み続けたキャリアがここで花開くか。 ローズS2着のチェレスタは右前脚浅屈腱炎で離脱したが、同3着セキトバイースト(四位)は内回り向きのスピードと持続力が魅力。対照的に紫苑S2着ミアネーロ(林)、3着ボンドガール(手塚)は末脚の切れが武器だ。トリッキーな内回りで展開はどちらに味方するか。またオークスから直行で挑むフローラS覇者アドマイヤベル(加藤征)、古馬相手のクイーンSを制して勢いに乗るコガネノソラ(菊沢)らも参戦。春の実績馬が揃って順調に秋を迎え、最後の1冠をかけた戦いは激烈なものとなりそうだ。
東スポ競馬編集部