「入学した頃は5、6番手の選手」藤枝東の恩師が語る長谷部誠の“逆ギレ”思春期「うるせぇ!」血気盛んでチームメイトと取っ組み合いも
監督の見ている前だけダッシュ、プレーは血気盛ん
イタリア遠征では、世界最高峰リーグと称されていたセリエAの強豪パルマのトップチームとも練習試合をした。イタリア代表GKジャンルイジ・ブッフォン、フランス代表DFリリアン・テュラム、アルゼンチン代表FWエルナン・クレスポらを擁するスター軍団に、静岡の高校生は0-12で大敗した。 長谷部にとっては世界トップの実力を初めて肌で感じた貴重な経験となったが、関係者の記憶に刻まれているのはイタリア事件の方だ。服部も「あの時、長谷部がどんなプレーをしていたか? まったく覚えてないねえ」と笑った。 成川雄士は静岡県内で長谷部が監修するサッカースクール『MAKOTO HASEBE SPORTS CLUB』のスクールマスターを務めている。同級生の高校時代についてはこう証言した。 「昔はもっと攻撃的な選手でした。守備は一切しないですから。スルーパス、ドリブルが大好きっていうイメージしかないですね。ノールックパスもよくやってましたよ。リベロはもちろん、ボランチになることすら想像できなかったです」 プレースタイルは典型的な司令塔。フランス代表MFジネディーヌ・ジダンやポルトガル代表MFマヌエル・ルイ・コスタに憧れ、トリッキーなプレーを好んで体は張らない。バランスを重視して献身的に動くのちのスタイルとは真逆だった。練習では髪が汚れるのが嫌だったのか、ヘディングも全くしなかった。藤枝東には定期的にオランダ人コーチが指導に来ていたが、守備意識が低く、足先でプレーする長谷部の評価は低かったという。 「僕がヘディングで外にクリアしたら『前に返せよ! 』と言うので、『その前にお前が戻ってこいよ! 』と言い合ってました。サッカーになると感情が出る。勝負にこだわる姿勢はあの頃から強かったです」 思うようにプレーできずイライラして、紅白戦で同じ選手に立て続けにラフプレーをしたこともある。チームメイトから注意されると「うるせぇ!」と逆ギレして取っ組み合いのケンカになり、練習が一時中断する事態に発展するなど血気盛んな一面も見せていた。
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