原口あきまさ、不仲だった父が末期がんに…当時感じた複雑な想いと受け継がれていく感謝の気持ち
モノマネ芸人・原口あきまさ。明石家さんまや石橋貴明、柳葉敏郎や東野幸治…そのレパートリーは200を超える。芸歴30年を来年に控える原口が明かした父への想い。父が末期がんだということが発覚したその時、原口は…。 【写真】原口あきまさが直筆で綴った父へのメッセージ
不仲だった父が末期がんに。口下手な父がくれた感謝の言葉
元自衛隊出身の厳格な父に反発し、芸人になった原口あきまさ。順風満帆な芸能生活を送っていた矢先、父が病魔に襲われたとの連絡を受けた。 「もう6、7年前ですけど、末期の膀胱がんだとわかったんです。 医者から手術しなくてはいけないと言われたんですけど、どの病院でももう“手術できません”って言われて。 俺もいろいろと病院を探して、あきらめかけたころにようやく先生が見つかって手術してくれたんです。 そのときは本当に必死でしたね。“結局、俺に迷惑かけるのか”と複雑な思いもあったんです。でも、まだ孫にもそんなに会わせてなかったし、今倒れられても困る、と。 自衛隊出身で、あんなにタフだった親父が身体が悪くなるってことは、相当悪いんだろうなって心配になっちゃって…。今は手術して人工膀胱にはなったんですけど、本当に元気になりました」(原口あきまさ、以下同) 今年放送されたバラエティ番組で、父は当時を振り返り、病院探しに奔走した原口に感謝の言葉を口にした。 「なんかね、感謝されるなんて珍しいですよ。泣かされましたよね。 父としても、どこかで僕が芸能界でやっていけるとまでは思ってなかったんだと思います。すぐ帰ってくるんだろうな、と送り出したんだと思うんですよね。 でも意外と俺が粘ってるから、びっくりしたんじゃないですかね」 父を思いながらも反発してしまう原口と、うまく子どもを褒められない口下手な父。そんな不器用な二人の関係性も、時とともに徐々に変化してきたという。 「親父が身体を悪くしたというきっかけもあるんだろうけど、その前ぐらいから、だんだん親父の方から“あのイベント出とったな。知らせてくれよ、出るんだったら”みたいに言われるようになったんです。 俺も“親父がそんなこと言うんだ?”と思って。そこでようやく俺、少し認めてもらえたのかな、と。 それで、ある時俺が出演するライブイベントに来てもらったんです。そこで、お客さんみんなが笑顔になってたり、俺がお客さんを楽しませてる姿を見て安心したのかわかんないですけど。イベントに呼ぶたびに、親父は“家の位が上がっていった”って言ってて(笑)。 少しは安心してもらえたのかな、と思ってます」 ずっとしたかった親孝行が、ようやくできるようになってきた。 「正月に帰ったときに、親父が3、4枚色紙を用意してて“お前のサインが欲しいという人がいるんよ”とか言って。 それで、色紙を見ながら“お前のサインなんか欲しいんかな”みたいなことをニヤニヤしながら話しかけてきたときは、ちょっとは認めてくれてんのかな、と。 まわりからお願いされたことがうれしかったのか、わかんないですけどね」