原口あきまさ、不仲だった父が末期がんに…当時感じた複雑な想いと受け継がれていく感謝の気持ち
息子の卒業式、壇上での一言に涙「ちゃんと伝わってるのかな」
現在は4人兄弟の父でもある原口。多忙で子どもとじっくり過ごせる時間は多くなく、「親父もずっと働いている人だったから、そういうところは似ているなと思います」と苦笑いする。 「この間、俺もうちの長男坊に“久しぶりだよね。ずっと仕事で家にいなくなかった?”って言われましたもん。 “そうそう、ごめんな。でも、一応帰ってきてたんだぜ。お前らが寝た後に帰ってきて、寝てる間に出て行ってるだけなんだけどな”とか言いつつ(笑)」 それでも、合間を縫って子ども一人ひとりに向き合い続けてきた。長男の小学校の卒業式で、その思いが伝わったと感じた瞬間があった。 「卒業証書をもらう前に一人ひとりステージに立って決意表明をしたんです。 “うちの息子、なんて言うんだろう”って思いながらドキドキしてたら、長男坊が、 《お父さんのように一生懸命働き、人に感謝していきます》 って言ってくれて。自然に涙が出てきちゃって。“えー、そんなこと思ってたんだ…”って。 だから、やってきたことは間違ってなかったのかな。伝えたい部分はちゃんと伝わってるのかなって思います」 「プチ自慢になっちゃいますけど…」と表情をほころばせつつ、当時を語る。 「パパ友に“あんな言葉が言えるなんて、どういう教育をしてるんですか?”って(笑)。なんも教えてないんですけどね」 感謝を忘れるなという父の教えは、原口を通して子どもたちへ受け継がれている。 「子どもと一緒にいると、日常生活では“本当に親に感謝してる?”という場面ばっかですけどね(笑)。それも親には見せない部分かもしれないですけどね。 俺自身も、リーダー気質で人を引き付ける力がある親父のもとで生まれ育ってるからこそ、もしかしたら俺も芸能生活を長く続けられてるのかな、とか思ったりもするし。 親父にお笑い脳があるのかどうかはわからないですけど。俺に見せてない部分なんですよ、お調子者の親父は。そういうことはたまに感じますね」 「親父とは、今では本当に仲良しなんです。この正月も会いに行きますよ」と語る原口。ふだん面と向かってはなかなか言えない言葉を、手紙にしたためてもらった。 取材・文/市岡ひかり
市岡 ひかり