【カニ酢】普通の酢と何が違うの? そもそも酢ってどうやって作られてる? 調味料メーカーに聞いた
冬が近づくにつれて、スーパーなどで目にする機会が増える食材「カニ」。鍋で食べる時はポン酢を使うことが多いですが、ときどき“カニ酢”と言われる専用の酢とセットで売られていることもあります。このカニ酢、一般的な酢とどのような違いがあるのでしょうか。酢を中心に各種調味料などを製造・販売する「株式会社トキワ」の安田瑚都さんに話を聞きました。 【写真】おいしそうな茹で蟹に合う調味料とは…… ☆☆☆☆ 酢の物・ピクルス・南蛮漬け・ちらし寿司など、様々な料理に使われる酢ですが、そもそもどのようにして作られるのでしょうか? 安田さんによると、大きく4つの工程に分けられるのだそう。 【工程 1】酒精発酵 米を蒸して米麹と水を加えると、麹菌の働きで糖化もろみ(米のデンプンを糖に分解する「糖化」が進行している状態)ができます。それに酵母を加えて酒の状態にします。 【工程 2】酢酸発酵 工程〈1〉でできた酒に種酢を混ぜ合わせ、加温したものを発酵槽に入れて食酢菌膜を植えます。すると種酢中の酢酸菌の働きにより、おおよそ2~3週間で食酢が出来上がります。(注)種酢とは酢酸発酵が終わった食酢の一部を、新たに食酢を造る際に仕込み液として利用するものです。 【工程 3】熟成 できあがったばかりの食酢は、そのままでは酢酸特有の強い刺激臭があるので使用できません。約1~2カ月熟成し、香味を円熟させてまろやかな味に仕上げます。 【工程 4】ろ過・殺菌・びん詰め 熟成後はろ過します。味・香を損なわないように瞬間殺菌し、びん詰めして完成です。 普通の酢とカニ酢の違いについて安田さんは次のように説明。「大きな違いは原材料にあります。一般的に酢は“生酢(単一の酢)”です。カニ酢は酢に砂糖・塩などを加えた“合わせ酢”で、料理に合うよう食べやすく調整されたのもの。すし酢も同様です。合わせ酢は用途に合わせて原材料や配合が異なります。例えば、カニ酢としても使える当社の『香り三杯酢』は、香りの良いりんご酢をベースに醸造酢・砂糖・塩・しょうゆ・こんぶ・かつを合わせ旨味を感じられるものに仕上げています。茹でたカニはもちろん、たこ・わかめなど海産物の酢の物や南蛮漬け・焼き魚・ところてんなどにも合います」とのことでした。 ☆☆☆☆ 食欲増進や疲労回復の効果もあると言われている酢。秋冬にかけて続々登場する旬の食材と食べるなど、積極的に摂りたいものです。 ※ラジオ関西『Clip』2024年10月16日放送回より
ラジオ関西