ヤクルト・小川泰弘インタビュー 一歩踏み出す勇気 「すべての球種を自在に操りたい」
試行錯誤を経て
昨季は、一時離脱もあり規定投球回数に届かず。先発の柱としてフル回転を誓う
2年連続6度目の開幕投手が決まった。対するは昨季、開幕3連敗を喫した阪神。王者のプライドを胸に、挑戦者として立ち向かう。10年目を迎えても、まだまだ進化は止まらない。生まれ変わったライアンがマウンドに上がる。 取材・構成=小林篤 写真=山口高明、BBM 9勝6敗、防御率4.14。日本一球団のエースとしては物足りない数字だった。シーズンを振り返り、課題を洗い出し、改善に努める。新世代のエース候補たちがめきめきと力をつけていく中で、オフは淡々と正面から自身と向き合ってきた。 ──今季初登板となった2月22日の楽天との練習試合(浦添)は2回1失点。感触はいかがでしたか。 小川 まずまずでした。「やってきたことを出そう」ということで、ストレート、カットボール、シュートなどで、狙ってファウルを取ることができましたし、新しい球種を試すこともできました。 ──やってきたこととは。 小川 一番はフォームの改造です。打者を惑わせるためにも、より前でリリースすることを意識しています。また、その中で自分のバランスでしっかり投げることを気をつけてやってきました。 ──実戦で投げてみて、新フォームでの手応えはどうでしたか。 小川 先頭打者にフォークを打たれましたが、ストレートをジャストミートされることはありませんでした。2月で時期が時期ですけど、やりたいことができているかなと思います。 ──フォーム改造は簡単なことではないと思います。これは昨季の投球に課題があったということですか。 小川 疲れが出てくるとどうしても体重が残り、球をたたくことができなくなる。そうすると、球に角度がつかず、身長も低いので、打者にとって打ちやすい球になってしまいます。そこは避けなければいけないので、角度をつけるために体重移動の仕方だったり、左足の着き方であったり、少しずつは変えています。 ──新フォームでは、セットポジションの際に左足を約1足分、三塁側に出しています。これはどういった意図ですか。 小川 立っているときや、体重移動時のバランスのためです。オフ期間中のトレーニングで、自分のバランスポイントがどこなのか探す中で、少しずつ左足の位置が変わり、今の位置になっています。 ──セットポジションに入る直前では、左足を5回ほど足踏みしています。これも何かポイントがある。 小川 右足の股関節に体重を乗せたいというのがあります。投球動作のスタートのポジションが大事になるので・・・
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週刊ベースボール