鉄分取り過ぎにご注意!鉄サプリメントで「鉄過剰症」発症し内臓疾患や皮膚褐色に…国民生活センターが注意喚起
国民生活センターは25日、海外の業者が販売する「鉄サプリメント」を長期摂取した結果鉄分を過剰に摂取してしまい、胃腸の障害や、鉄が沈着する事によって皮膚が褐色に変色するなどの「鉄過剰症」を発症した事例があったとして、注意を呼びかけた。 国民生活センターによると、10代の女性がネット通販サイトから個人輸入で海外事業者の鉄サプリメントを購入し、約3年間摂取したという。 その結果、口内炎と歯茎の腫れを訴え、肝臓や脾臓、骨髄に鉄の沈着が見られ、続発性鉄過剰症と診断されたとしている。 『日本人の食事摂取基準(2025 年版)』策定検討会報告書における鉄の1日当たりの摂取基準は、18~64 歳の男性では7.0~7.5mgだ。 18~64 歳の女性では、月経ありの場合は10.0~10.5mg、月経なしの場合は6.0mgが推奨量として示されている。 鉄サプリメントを摂取して鉄過剰症を発症した女性は、推奨量を大きく上回る、1日当たり54~108mgを摂取していた。 また20歳代の別の女性も、ネット通販サイトで購入した鉄サプリメントで、1日当たり36mgの鉄を約11カ月摂取した結果、倦怠感を訴えるようになったという。 国民生活センターが、ネット通販で購入可能な鉄サプリメント5銘柄を調べたところ、いずれも日本人の食事摂取基準に示された推奨量を超えていた。 国民生活センターは、「海外事業者が製造・販売する鉄サプリメントには、日本人の食事摂取基準に示された推奨量を大きく超える量の鉄を含む場合があり、長期間使用することで過剰摂取につながる可能性があります。成分量や注意表示をよく確認し、過剰摂取にならないように注意しましょう」と呼びかけている。
プライムオンライン編集部