【避難所を考える】「暑くて眠れない…」「腰が…」エアコンがない酷暑の避難所を想定した“全国初”の宿泊訓練 体育館で24時間過ごして見えた課題
■「どこが過ごしやすいのか?」体育館の内外で『暑さ指数』を計測 軒並み“危険”を示す数値が…
体育館の中は、研究の場でもあります。 (山本キャスター) 「これは何ですか?」 (計測健康啓発協会・望月計さん) 「これは暑さ指数計、WBGT(暑さ指数)を測るものです。体育館は広いじゃないですか。その暑さ指数のばらつきを測るためにセットしました」
暑さ指数・WBGTとは、熱中症警戒アラートの発表基準になっているもので、気温・湿度・地面などからの輻射熱の3つの要素から計算されます。暑さ指数が31以上になると「危険」とされています。 望月さんは計測器を10個設置。午後5時の時点で、2階に設置した計測器の数値を見てみると、10分ごとの暑さ指数が表示されていて、西日などの影響で、軒並み「危険」となっていました。計測器は体育館の外にも…。
(望月さん) 「(外も含め)避難所で快適に過ごせる場所はどこなのか。そういうデータが取れると良いなと思っています。」 計測は夜通し行うと言います。結果は、どうなるでしょうか。
■避難者の環境を体験する
午後7時。被災者が置かれた環境を、身をもって体験することも訓練の大事な目的。 夕食は自治体が備蓄した非常食を床に座って食べ、午後8時には就寝準備を始めます。
(山本キャスター) 「暑い中でダンボールを運んで移動させるのも一苦労です」 このダンボールベッドは実際に避難所で活用されていて、8トンの重さにも耐えられる強度があり、組み立ても簡単です。
訓練には、熱中症対策に詳しい専門家も参加していました。「各家庭で備える必要がある」と指摘します。 (中京大学・松本孝朗教授) 「(避難所に)エアコンがあったとしても、電気が止まっていたら意味がない。(少なくとも)1日分のドリンクを冷やしておけるようなクーラーボックスとアイスパックを常備していただきたいです」
(山本キャスター) 「まもなく午後11時。消灯の時間を迎えようとしていますが、気温は29.8℃、湿度は75%あります。寝苦しい夜となります。」