小惑星「カリクロー」に環があるのは羊飼い衛星のおかげ? シミュレーション研究
■他の可能性も検証される予定
一方で、Sickafoose氏とLewis氏は別のシナリオも検討しています。もしもカリクロー本体の質量の分布に偏りがあり、自転によって重力の強さが極端に変化する場合、羊飼い衛星が存在する場合と似たような環境が生まれます。カリクローの形はある程度知られていて、重力が極端に変化するようないびつな形状をしていないことが分かっているため、このシナリオが正しい場合はカリクロー内部に高密度な芯が存在し、その位置が中心からズレていることになります。 ただし、このシナリオはシミュレーションで検証されていないため、正しいかどうかは不明です。Sickafoose氏とLewis氏は、このシナリオについてもさらなるシミュレーションを行って検討したいと考えています。 Source Amanda A. Sickafoose & Mark C. Lewis. “Numerical Simulations of (10199) Chariklo's Rings with a Resonant Perturber”. (The Planetary Science Journal) Amanda Sickafoose. “Small Satellite May Shape Centaur Rings”. (Planetary Science Institute)
彩恵りり