住宅ローンの「賢い」返済のポイント。“ボーナスちょい併用”で利息がぐっと減る
17年ぶりに金利の引き上げが決まり、「住宅ローン」の返済額が気になる人も多いのではないでしょうか。不安を感じている人に向けて、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さんがアドバイスします。ここでは、35年ローンと10年固定金利にまつわるお悩みを相談しました。
Case1:フラット35で35年ローンで借りています
金利の変動を気にしてハラハラするのがイヤだったので、35年ローンにしました。金利のことが話題になっていますが、うちには関係ないですよね?
●正解:ボーナスちょい併用で返済期間を短くする
金利を気にしたくない場合は、全期間固定を選択するのもアリです。ただし、固定金利には「金利が上がらない安心」がある一方で、「元金が減らないリスク」があり、支払い利息が多くなります。ボーナス併用払いで利息を減らしましょう。 と言っても、ボーナス支払い分は小額でOK。月返済額はほぼ変えずに、たとえば1回約6万5000円のボーナス払いを年2回プラスするだけで、返済期間が5年短くなり、利息が160万円も減ることに(上記参照)。 5~6万円程のボーナス払いなら、先々のボーナスがなくなっても払える金額。ボーナス併用を検討して。
Case2:10年固定であと3年残っています
7年前に「10年固定金利」で借りて、固定期間があとまだ3年残っています。金利が上がるかもしれないので、今のうちになにか手を打っておいた方がいいですか?
●正解:3年後の金利を見てから考えましょう
固定期間が終わるまでの3年間に、少額ずつでも繰り上げ返済して返済期間を短くするのがおすすめ。ネットバンキングなら手数料無料で少額から返済できます。 ネット銀行で借りている場合には、手数料無料で1円から繰り上げ返済できるところも。繰り上げ返済金は、全額が元金に充てられるので利息軽減効果が大きいです。3年後、どちらを選ぶかは、その時点の金利を見てから判断。 基本的には、金利が低くて、月返済額に占める利息の割合を抑えることができる変動が◎。ただし、固定と変動の金利差が1%をきっているようなら固定もアリかも。
●月返済額に占める元本と利息の割合イメージ
固定は金利が高いので月返済額が高く、さらに返済額に占める利息の割合も大きくなります。つまり、変動よりも毎月多く返済しているのに、元本がなかなか減らないことになります。 上の図や畠中さんの解説をもとに、ご家庭の予算に合った金利タイプを選んでみてはいかがでしょうか。
ESSE編集部