「なかよし別居」を選ぶ夫婦は幸せなの?「群言堂」創業者・松場夫妻が語る別居生活20年のリアル
「どっちかが先に逝っても、落ち込まずにがんばって生きよう」
二人とも20年を経た今も自由な一人暮らしを満喫しています。 「私は仕事や孫の世話に追われる日々なので、月2回ぐらいは仕事からも家族からも離れて逃避します。大浴場付きの駅前のビジネスホテルに泊まって、1泊で3回ぐらいお風呂に入るのが楽しみなんです」と大吉さん。 「あら、一緒に住んでいた頃はお風呂嫌いだったのに! 私は阿部家での仕事が終わって、夜自宅に戻ってから映画やドラマを見るのが楽しみです」という登美さんは、一人暮らしの家に新たな家族を迎えました。 「ボケ防止になるから、と次女にすすめられて」フレンチブルドッグで保護犬の福ちゃんを飼い始めたそう。「大吉さんよりも手がかかりますけど(笑)、福ちゃんを迎えて以降、まわりからはすごく穏やかになったといわれます」 二人が別居をするときから約束として決めているのが「どちらかが倒れたら一緒に住むこと」。いざそうなってみないとわからないけど、と大吉さん。 「でも最近、夫を亡くしてひどく落ち込んでいる知り合いがいて。その落ち込みようを見たときに、うちの夫婦はそうはならないなと。どちらが先立ったとしても、逆にその分、がんばって生き延びようとやる気が出ると思うんですね。そういう夫婦になれてよかったなと思います」(大吉さん)
「なかよし別居」のための3つのポイント
■■相手を信頼して、自立すること 何でも自分でやるという自立心と、「あの人なら心配ない」という信頼が大事。 ■■お互い干渉しないこと 何かあれば連絡がくるだろうという気持ちで、自分一人の自由時間を満喫するのがポイント。 ■■町中でばったり会うぐらいの距離に住むこと 仕事に向かう途中にばったり顔を合わせることも。なんとなく存在が感じられる距離感がちょうどいい。 取材・文=三橋桃子(ハルメク編集部) 撮影=回里純子 ※この記事は、雑誌「ハルメク」2024年4月号を再編集しています。
雑誌「ハルメク」