当初は気に入っていたとは言えなかった。1台のハコスカGTと向き合い、心通わせる場所|旧車の棲むガレージ
偶然がきっかけで手に入れた1台のハコスカGT。当初は気に入っていたとは言えないが、気がつけば44年の歳月を過ごし、ほとんどの改良を自分の手で行うようになった。今やオーナーにとって5人目の家族とも言えるハコスカが棲むガレージには、たくさんのパーツがストックがされていた。 【画像11枚】ぱっと見ノーマルな岩崎さんの2000GT。車両の奥には、足まわりやファンなどの機関系のパーツのほか、ヒーターやランプ類などのストックパーツが整理されている。この棚も自分で作ったそうだ 【1台のハコスカGTと向き合い心通わせる場所】 広島県広島市に住むオーナーが、愛車のスカイライン2000GTと出合ったのは偶然だった。たっぷりの愛情が注ぎこまれ、深いきずなで結ばれていると感じられるクルマを前にすると信じられないが、スカイラインとの出合いは親戚が留学することになり、クルマが不要となったため、引き取ったのがきっかけだという。 ガレージには自宅が隣接する弟さんのメルセデスも一緒に収まり、スペア部品や加工用の工具、ショートパーツなどが整然と並んでおり、その量と設備はちょっとしたプロショップ並みだ。そして、板金塗装以外ほぼなんでも自分でこなしてしまうといい、グリルの加工やLED加工などはトライ&エラーを繰り返してスカイラインのモデファイを施したという。 「以前は夜遅くまでクルマをいじっていると家族に『ガレージで寝たら』と冗談を言われましたが、最近は何も言わなくなりました」 照れくさそうに語ってくれた。
16歳で運転免許を取得してから、何台かのクルマを乗り継いだ
16歳で運転免許を取ってから、キャロルやスバル360をはじめ、何台かのクルマを乗り継ぎ、高校生のころはまわりにはS54スカイラインやクラウンなどを乗り回していた友達がいて、地元のレースやジムカーナなどにも参加していたというから、まさに太陽族を地で行くようなハイカラな学生生活を送ったようだ。 親戚からスカイラインを引き取った当初は、セダンのATであったため、それほど気に入っていたとは言いがたかったらしいが、結婚して家族ができると、4ドアセダンであることが逆に便利だったという。 「若いころにはそれなりにタイヤやホイール、ステアリングなどをスポーティーなものに交換して乗っていましたが、家族が増えてからは、家族を考えて改良を施すことが多くなっていきました」 例えば後席の娘さんたちが暑くないようにとサイドガラスにスモークフィルムを張ったり、クーラーも取り付けた。それと同時にラジエーターは真ちゅうの3層へと交換。AT車のため下部にオイルクーラーが付くので市販品がなく特注した。