猛烈な暑さ・迷走台風・ゲリラ雷雨…この夏の天候はすべて関連 “熱帯化する日本”「史上最も暑い夏」はこれからの普通の暑さに 偏西風の北への蛇行と“異常に高い”海面水温が背景に
■今年の猛烈な暑さが普通の暑さに 「異常気象がニューノーマル」 立花教授は、今後、この夏のような猛暑は当たり前になるだろうと予測しています。 三重大学大学院 立花義裕教授(気象学) 「こういうような状態というのは普通になると私は思います。つまり異常な猛暑が普通になる。僕はこれを異常気象がノーマル化してると、『異常気象がニューノーマル』と呼んでますけども。 気温はね、何かのタイミングで冷えることがあるので揺らぎもありますけど、気象の揺らぎって大きいですから。しかし水温が2℃だとか、3℃上がるっていうのは非常になかなかないんですよね。いったん水温が上がるとなかなか下がらないので、これはなかなか元に戻らない。ですから異常気象が普通になる状態っていうのはこれからも続くと思います。 40℃超えになることが普通になるってことは、その時代における猛暑ってのはもっと上がりますよね。ですから今年のような気温が普通になると思ってほしい。」 ■熱帯化する日本 増える「ゲリラ雷雨」「迷走台風」 予想が難しく、しかもゆっくりとした速度で日本へと上陸した台風10号。立花教授は、日本に近づくにつれて発達のピークを迎えて迷走する台風は、今後は増えるだろうと考えています。 三重大学大学院 立花義裕教授(気象学) 「台風10号を含めた今年の台風の特色は、日本に近づくにつれて強まってると、それともう一つはゆっくり動く、そして迷走のような変な動きをする。この3点セットが整った台風がこれからの時代は増えると思いますね。 その理由は一つ目には、日本近海の海面水温が熱帯並みに高いので、普通は日本に近づくにつれ水温は低いから弱まってくる。ところが日本に上陸、あるいは近づく直前までどんどん強まる。これは今までにない傾向で、まさに熱帯化だと思います。 もう1つはゆっくり動く、あるいは迷走する。この理由は、偏西風がはるか北の方に行ってしまっている。普通は偏西風に近づくにつれてそれに流されるような、新幹線の乗ってバーって行ってしまうようなイメージなんですけども、偏西風が遠いので、なかなか乗れない。というわけで迷走あるいはノロノロなわけですね。 ノロノロ動けばより多くの水蒸気をもらえるので、より発達する。まさにノロノロ動く・迷走するというのは熱帯の台風の特色。これはもうまさに日本が熱帯化してると言ってもおかしくないというふうに思います。」