出光と昭和シェルが経営統合を延期「創業家との協議に時間必要」
石油元売り大手の出光興産と昭和シェル石油は13日、来年4月1日に予定していた経営統合を延期すると発表した。出光の大株主である創業家の同意が得られず、建設的に統合を進める環境が十分に整っていないため。期限は設けず、合併に向けた協議は引き続き継続する。 【中継録画】出光興産と昭和シェル石油が経営統合延期で会見
同日会見した出光の月岡隆社長は、「創業家や各ステークホルダーとの協議に十分な時間を確保する必要がある」と延期を決めた経緯を説明。ただ「経営統合は両社の持続的な成長のために最適な組み合わせで最善の策と確信」と意義をあらためて強調し、時期を遅らせてでも統合を実現すべきと両社の経営陣が一致したと述べた。また、協議の期限を設けないことは「私どもから創業家へのメッセージ」として、経営統合への同意を呼びかけた。 昭和シェルの亀岡剛社長も「石油業界は一番に考えないといけないのは国民への安定供給。それにはしっかりとした財務基盤が必要」と述べ、出光との経営統合がベストな策との結論に揺るぎはないと足並みをそろえた。