新庄剛志氏のRIZIN参戦は消滅…それとも?!突きつけた出場条件とは?
11月13日に榊原CEOが会見で新庄参戦計画を明かしそれが記事化されると、すぐさま新庄氏がインスタグラムで反応。 「RIZIN参戦について!!今 トライアウトプロ野球復帰に向けて、自分と戦っている!!それ以外は何も考えていない!!」と投稿した。RIZINへの参戦否定とも取れるコメントを発信していた。その“謎の投稿”の答えは、こういうことだったのだ。 まずは7日に非公開で開催される12球団プロ野球合同トライアウトに全力投球、もし、そこで復帰が決まれば、その勲章を胸に大晦日にRIZINのリングに登場する。それが新庄氏の美学に沿った格闘家デビューのサプライズストーリーだったのである。 しかし、現実は、その条件をクリアすることは厳しい。12球団で新庄氏に興味を示す球団の話は今のところ耳に入ってこない。榊原CEOも「間違って(どこかが)取ってくれないかな」と苦笑いするほど。 「(NPB復帰は)厳しいでしょうね。ほぼ難しい。(1チームの支配下登録選手数が)70人しかない中で、あのキャラを抱えるデシジョン(判断)は難しい」とも言う。 ここ数年、各球団共に戦力外通告のサイクルが早くなっていてドラフト1位が3年でクビになる世界。加えて生え抜きの若手を育成するチーム強化方針を推し進める球団が増えている。たとえ新庄氏がとんでもない才能と年齢を感じさせないフィジカルを持っているとしても、48歳のオールドルーキーが割り込んでくる隙はない。 しかも新庄氏がRIZINに突き付けた参戦条件には矛盾がある。万が一、どこかの球団と契約ができたとしても、今後はルールの壁に阻まれることになる。 プロ野球の統一契約書の第20条 (他種のスポーツ)には「 選手は相撲、柔道、拳闘、レスリングその他のプロフェッショナル・スポーツと稼働について契約しないことを承諾し、また球団が同意しない限り、蹴球、籠球、ホッケー、軟式野球その他のスポーツのいかなる試合にも出場しないことを承諾する」とある。つまり、プロのリングに上がることがルールで禁止されているのである。 正式契約を年明けまでに先延ばしにしておけば、RIZINに出場することはできるだろうが、どんな試合ルールであれ、ケガをするリスクのある総合格闘技への参加を新庄氏との契約を真剣に考える球団ならば許さないだろう。 失礼ながら新庄氏は、おそらくこのあたりのルールをよく把握せずにRIZIN側に参戦条件を示したと考えられるが、いずれにしてもRIZIN大晦日大会のリングにファイターとして上がることは「アウト」ということになる。