【なぜ】“揺れなし”で津波 「海底火山」の影響か? 伊豆諸島の海底で異変相次ぐ
海底隆起する“破壊現象”
今回のこの海底火山、そして揺れが観測されていないのに津波が発生したことの鍵になるのが、海底隆起する“破壊現象”です。 「トラップドア断層破壊」というもので、海底の岩盤のさらに下にあるマグマの動きが活発化することによって、マグマの一部が上昇し、海底の岩盤が押し上げられます。そうすると、海面も押し上げられ津波が発生します。 ではなぜ揺れを感じないのかというと、陸上ではなく震源が海上であること、そして震源地が浅い、岩盤が押し上げられたのが浅いということで揺れが感じられないということです。 東京大学地震研究所 青木陽介准教授: 鍋ぶたが水蒸気で片方だけ持ち上がるイメージです。 マグマがどんどん溜まって圧力がかかって岩盤が脇のところで摩擦で支えているわけですけれども、耐えられなくなって一部がグッと動くというそういうイメージですね。 「須美寿島」周辺の火山活動は今後どうなるのでしょうか? 青木准教授によると、過去4回(約10年周期)須美寿島周辺で同規模の地震が起き、津波が発生しています。いずれも沈静化していく傾向があるので今後も活動が弱まる可能性もあるのですが、もし今後さらに活発化したら、海上の船舶は航行に注意が必要、そして九州~千葉・房総エリアは津波に警戒が必要です。 世界有数の火山国である日本。海底火山は日本近海にどれだけあるのかみていくと、日本周辺には活火山が111カ所あり、世界の活火山の約7%を占めています。そのうち3分の1の34カ所が海底火山も含めた海域火山。今回の震源地である伊豆諸島付近には多くの海底火山があることがわかります。 ――今回の火山の活動の影響で他の火山を刺激するようなことはあり得るのでしょうか? 東京大学地震研究所 青木陽介准教授: 火山の活動が他の火山に影響を及ぼすということは一般的にはほぼないですね。 (『めざまし8』 2024年9月26日放送より)
めざまし8