【プリンス関東プレーオフ】延長戦の末、鹿島ユースBが帝京第三を振り切りプリンス関東2部へ FW髙木輝人が2G1Aの活躍
12月16日、高円宮杯 JFA U-18サッカーリーグ2024プリンスリーグ関東2部 プレーオフ(参入戦)決定戦の2試合がフクダ電子スクエアで行われた。 【フォトギャラリー】帝京第三 vs 鹿島アントラーズユースB 第2試合は、茨城代表の鹿島アントラーズユースB(以下・鹿島ユースB)が山梨代表の帝京第三を延長戦の末、3-2で競り勝ち、参入を決めた。 立ち上がりから攻勢を強める鹿島ユースBは前半19分、ドリブルで進入したFW30髙木輝人(2年)が決め、先制。堅守速攻で少ないチャンスを生かす帝京第三は前半28分、MF2飯島寛太(3年)の右サイドからクロスをMF9齊藤駿(3年)が頭で合わせて同点に。前半唯一のシュートがゴールとなった。 しかし、前半終了間際の44分、鹿島ユースB、右サイドからペナルティエリア深く切り込んだFW30髙木のパスを最後はFW9正木裕翔(2年)が押し込み、追加点を挙げた。 後半、突き放すべく鹿島ユースBは攻勢に出るも、帝京第三の前を向かせない守備でゴールを割ることができず、膠着状態が続いた。 2-1で迎えた後半44分、帝京第三はペナルティエリア付近で直接FKのチャンス。防戦一方のなか、生まれた千載一遇の場面でDF6 久世謙伸(3年)が見事に叩き込み、土壇場で2-2の同点に。 試合は10分ハーフの延長戦に突入した。決勝点が生まれたのは延長前半2分。鹿島ユースB、途中出場のFW56髙木瑛人(中3)が放ったシュートがバー直撃。跳ね返りのボールをFW30髙木が頭で押し込んで、3点目。シーソーゲームにケリをつけた。 一方、帝京第三は守勢にまわりながらも前後半3本のシュートで2ゴールをあげる高い決定力で逆転に望みをかけたが、出鼻を挫かれる痛い延長前半の失点となった。 勝った鹿島ユースB。先発は高1、高2。控えには中3、中2の選手が並ぶ、厚い選手層のなか、殊勲は2ゴール1アシストの活躍をしたFW30髙木。試合について「本当にいい相手で難しい試合になりました。全員で結束して勝てて良かったです。日々の練習はキツいですが、そのおかげで最後まで粘り強く戦えました」と振り返った。 FW30髙木は今季、県リーグ1部では14得点をあげ得点王に輝いた。それもそのはず、周知のとおり、指導者は鹿島アントラーズを長年支えた選手が居並ぶ。 「ヤナさん(柳沢敦監督)からはFWとしての動きを教えてくれたり、尊敬する満男さん(小笠原満男コーチ)にはピッチ内外で気にかけてくれて、ホントにありがたいです」と語った。 そのFW30髙木、勝因のひとつに「アントラーズスピリットを大事にして戦えたこと」と明かした。アントラーズスピリットとは何か。ヒントは試合直前のミーティングでの小笠原満男コーチの言葉にありそうだ。 「ハードワークをすること。そして困ったときにこそ助け合う、これが鹿島」 「勝ちたい姿を見ている人たちに伝えるサッカーをしよう」 これらが体現された100分間のゲームとなった。 「ひとりがキツい時にはほかの選手が走って助けて、そしてみんなで勝ちに行けました」(FW30髙木)鹿島アントラーズの強さの一端を体感する試合だった。 (文・写真=佐藤亮太)