【高校サッカー】異例の再試合は藤枝明誠に軍配「互いに出し切った気持ちがいいゲーム」松本監督
<全国高校サッカー静岡大会:藤枝明誠1-0浜名>◇準々決勝◇4日◇裾野運動公園陸上競技場 異例の再試合となった一戦は藤枝明誠に軍配が上がった。 2日に行われた同試合は濃霧の影響で約2時間半中断。再開後は豪雨と強風で試合続行が不可能となり、0-0のまま延長前半に中止が決まった。大会規定に「継続試合」がなかったため、選手の人数も「11対11」にリセット。中1日の強行日程でこの日再戦した。 2日にほぼ「1試合」を消化した選手の疲労が不安視された中での試合だった。それでも、互いに長所を出す好ゲームになった。藤枝明誠は前半12分、相手DFのミスを見逃さず、FW水上大和(3年)が左足で先制点。「力まずに相手GKの動きを見て決めることができた」と声を弾ませた。後半はカウンター主体の戦いに切り替え、1点を死守。浜名は選手の配置を変えながらボールを保持し、ゴールに迫ったが、最後の精度の差が勝敗を分けた。 試合後は互いに健闘をたたえ合い、応援団もエールを送り合った。藤枝明誠の松本安司監督は「イレギュラーな試合だったけれど、明誠の選手たちも一生懸命やって、浜名の選手たちも最後まであきらめずに一生懸命戦った。トーナメントだから、勝った、負けたの勝負はついてしまう。でも、お互いに出し切った。久しぶりに見ていて気持ちがいいゲームだった」と両校選手の奮闘をたたえた。 準々決勝で藤枝明誠と浜名が対戦するのは3年連続だった。過去2年は浜名が勝利。因縁のカードは「2日間」をかけて行う激闘の末に決着がついた。浜名の内藤康貴監督も「過酷な状況で選手はよくやってくれた。立派だったと思う。その姿を後輩たちも見ている。その思いをつなげていってほしい」とねぎらった。 勝利した藤枝明誠は9日の準決勝で浜松開誠館と対戦する。決勝点を挙げた水上は「浜名の思いも背負って絶対に全国に行かなければいけない」と強い決意を口にした。