「日本一の飲食店員」を決める頂上決戦 接客の上手さ競い合う
「S1サーバーグランプリ」東北大会の舞台となった、仙台市戦災復興記念館(若柳誉美撮影)
日本一の飲食店スタッフを決定する「S1サーバーグランプリ」の東北大会が26日、宮城県の仙台市戦災復興記念館で開催された。大会には厳しい予選を突破した東北各地の5人の飲食店員が出場し、日ごろから磨いている接客技術を競った。 大会はNPO法人「繁盛店への道」主催で、今年で11回目。会場には、接客技術を学ぼうとする飲食店員や、出場者の応援に駆けつけた観客ら約150人が集まり、出場者に声援を送っていた。
「また逢いたい度」が評価される
審査は、出場者が舞台上で「客」役の人々に対して接客する「規定審査」と、接客に対する自らの思いを表現する「スピーチ審査」の2種類で争われる。言葉遣いやマナーだけでなく、その店員がいるから来店したいと思わせる「また逢いたい度」も評価項目となり、審査員5人の審査と会場来場者や来賓の投票ポイントで優勝者が決まる。 出場者がどのような接客場面に対応しなければならないかは、舞台に立つまで出場者には知らされず、 出場者は出番を待つ間もヘッドホンをつけて待機しなければならない。まさに、普段の応対力が試される場となる。
「夜景の見える席に移りたい」と客が要望、どう対応?
今回の大会で出場者に課されたのは、客が「夜景の見える、空いている席に移りたい」と要望するも、その席が実は予約席で空いていなかった、という場面での接客対応。ある出場者は「ご予約席の札を置き忘れておりました。申し訳ございません」と即座に返す対応を見せた。また別の出場者は「テーブルを1.5個分ずらすと、こちらの窓からも夜景が見えます」と機転を利かせた提案をするなど、出場者それぞれの個性が光る接客対応が見られた。 東北大会を制し最優秀賞に輝いたのは、山形市の「山形郷土料理おしょうしな総本店」に勤める木原友美さん。「心がけていることは、ノリと勢い」と話す木原さんは、今回3回目の出場で全国大会への出場を決めた。
「自分の大切な人に接するように接客」
木原さんは「いつも、先輩ならどう対応するだろうということや(木原さんの所属会社の経営理念である)自分の大切な人に接するように接客する、ということを考えて現場にいます」と笑顔で語った。 木原さんは、全国10地区の地区大会を勝ち抜いた10人だけが進める全国大会に、東北代表として出場する。全国大会は、3月16日にメルパルク東京ホール(東京都港区)で開催される。 (若柳誉美/THE EAST TIMES)