【2AW】チチャリート・翔暉が“網膜剥離”から復帰へ!引退も視野に入れた苦悩を激白
「あのまま道場に帰っていたら、たぶんプロレスは嫌いになって...」
千葉密着・発信型プロレス2AWのチチャリート・翔暉が、網膜剥離の負傷を乗り越え2月18日に開催するTKPガーデンシティ千葉大会で、吉田綾斗を相手についに復帰が決まった。 【動画】岡林裕二からピッサリを継承したチチャリート・翔暉 2023年9月網膜剥離、10月の凱旋興行を終え欠場を続けてきたチチャリート・翔暉。 欠場期間中に「引退も軽く視野に入れていて、自暴自棄といいますか、そういう時期もあった」と心境を吐露。 2月18日のTKPガーデンシティ千葉大会での復帰戦の相手に吉田綾斗を指名したチチャリート・翔暉に、復帰戦に向けての心境や欠場中の他の選手の活躍、そして今大会で行われるシングル・タッグ王座戦について話を聞いた。 【大会名】GRAND SLAM in TKPガーデンシティ千葉 【日程】2024年2月18日(日)【開場】12:15 【開始】13:00 【場所】千葉・TKPガーデンシティ千葉 4F コンチェルト ①2023年9月網膜剥離、10月の凱旋興行、欠場中の過ごし方 ――今回は2月18日『GRAND SLAM in TKPガーデンシティ千葉大会』で、いよいよ復帰が迫ってまいりました。今回、復帰戦として吉田綾斗選手とのシングルマッチが決定しています。2023年9月に網膜剥離になって、10月の凱旋興行の後で欠場していましたが、失明一歩手前の怪我だったということですね。 そうですね。網膜剥離が悪化したらもう失明するという怪我だったので。どうしても試合はさすがに出てはいけないという判断が下ったんですけど。2023年10月に自分の凱旋興行がありまして、その凱旋興行が2023年1月から決まって、そこから約半年以上、営業にずっと回っていて。 ――準備もしっかり万全にしていて。 1からスポンサーさんだったり、会場の手配を自分で。 ――自分でやられたのですか。 自分でやって。それくらいの熱量でやっていた凱旋興行があったんですけど、その1か月くらい前に怪我をしてしまって。手術をしまして、限定復帰という形で1度復帰したので、9月からずっと欠場していたわけじゃなくて10月に1回だけ限定復帰しているんですね。 ――その限定復帰したときって、危なくはなかったのですか? 手術の内容が目を縫うんですけど、糸が溶ける糸みたいで、ずっとあるんですよ。 ――ピクピクしちゃう、みたいな感じですか。 ずっと目に違和感があって、涙が止まらない状況みたいな。 ――それ、1か月ぶりに復帰できた感動の涙と勘違いされそうな(笑) そうなんですよ。試合前から涙が止まらないというか、入院中のベッドでもずっと涙が止まらなくて。 ――それも辛いですね。 目ヤニで目が開かないみたいなこともあったり。 ――ガーゼで拭き取って。 そうです。目もかぶれちゃったりして。目の手術って全身麻酔じゃなくて局部麻酔なので。 ――局部麻酔というのは例えば顔の、目の周りだけやるという感じなんですか? そうです。目の奥の筋肉に注射を刺すんですけど、そのときが1番痛かったですね。 ――もう話を聞いているだけで。目を縫うとか。 自分も『この手術でいきますので』と言われたときは本当にドキドキしちゃって。本当に嫌だなと思いながら。 ――本当に麻酔を刺すときが1番恐いですよね。麻酔が効いちゃえば、あとは恐怖心との戦いだとは思いますけど。 目を動かしてほしいみたいなんですよ、縫うときに。 ――指示が出るんですか。 はい。感覚は分かるので動かすんですけど、来るのが分かるんですよ、針みたいな。 ――見えますものね。手とか足とかだったら局部麻酔で目をつぶったりしている間にやってもらいますけど、目だからそのまま切っちゃうということですよね。 そうなんです。だんだん視界の色も青くなったりとか、だんだん縫われているのが分からなくなってくるんですけど。 ――分からなくなるんですか。 分からなくなる。薬が効いてきて。でも意識はある。ちょっともう、もうしたくないなという手術でした。 ――いやいや、恐ろしい。聞いているだけでも恐ろしいです。でも1日だけ限定復帰されたときって、そういう涙も出るし、試合も大変だったでしょう。 大変でしたね。やっぱり術後だったので2、3週間くらい何も動かない状態で。 ――ある意味、本番ぶっつけみたいなところで。 そうです。前日もなるべく安静にしようと思って軽いランニングくらいのことしかしていなかったので、果たして動けるのかと思ったんですけど。ちゃんと動けていなかったですね、映像を見返すと。 ――チチャ選手の場合はやっぱり全身を使ってスピーディーに動く試合展開なので、そこの持ち味というのはどうしても目と関わりがあるから、余計に大変でしたよね。 そうですね。 ――実際、それ以降欠場というところで、欠場している間の自分の気持ちというのはどんな感じでしたか? 正直に言っちゃうと、10月9日の興行が終わってからずっと実家にいたんですよ。その間は本当に何もしなかったですね。 ――ある意味、安静に。 安静と、ちょっとどうでもよくなっちゃったというか。 ――ちょっと心にぽっかり、じゃないけど。 何となく気持ちが折れていて。10月9日の興行、大成功というか。自分は負けてしまったんですけど、みんなに楽しんでもらえたり。リベンジはしたいんですけど、ちょっと燃え尽き症候群、燃え尽きちゃって。あとSNSも見るのをやめたんですよ。やりたくもなるし、ジェラシーといいますか。何してるんだろう、みたいな虚しさがずっとあって。それで地元の人たちにも『良かったよ』とずっと言われて、なんかもうどうでもよくなっちゃって。帰っていた2か月の間は何もせずに、ただ食って友達と遊んでみたいなことの繰り返しで。正直ちょっと引退も軽く視野に入れていて、自暴自棄といいますか、そういう時期もあったんです。 ――やっぱりプロレス界との関わりというのを一旦切りたいなという気持ち、ギリギリのところまでいっちゃったんですね。 2AW(会社)から連絡も来るんですよ。それも1回通知オフにしちゃって。もう何も関わりたくないみたいな状況までいって。Xもインスタグラムでも情報は何も見ない、みたいな。2か月くらい。あと会社の連絡も全部無視みたいな時期がありましたね。 ――やっぱりそれだけの大怪我をして、興行も本来だったら絶対出ちゃダメくらいのレベルの怪我だったと思うし。それを1つの役割みたいな部分で自分がその重責を担って結果を出したというところで、ちょっと1回休みたいとなったんですかね。 あとやっぱり怪我の中でも目だったので、プロレスがいつまで続くか分からない状態で、もしも目をこれ以上もう1回怪我して失明しちゃったとなったら、もうプロレスもできないし、日常生活も厳しくなるというのもあって、ちょっと距離を置きたかったのかもしれないです。 ――プロレスも大事だけど、やっぱり人生は長いですからね。 プロレスをやるより、今後の老後の方が長いと思っているので、自分の中では。 ――その2か月、何もプロレスとの接点を持たなかったことが逆に良かったんじゃないですか? そうですね、逆に。少しずつ視力が戻ってきたんですよ。もともとどちらもA、Aで良かったものがDとか乱視がひどくて見えない状況までなっちゃって。それで自暴自棄になっていたのもあって。でも少しずつ、安静にしていると良くなっていって。たぶん今Bくらいまで回復して。そしたら自然とトレーニングも、ジム契約していたのでトレーニングをしていったら少しだけ気持ちやモチベーションが上がっていって。それで道場に戻ってきたという感じですね。 ――道場に戻ろうという気持ちというのは体の状態、目の状態が良くなったから自ずとプロレスラー魂が再度点火した感じですか? やっと視力も戻ってきて、もう1回ちょっと頑張ってみようかなとなったのかもしれないです。 ――欠場前のチチャ選手は上り調子だったから。他団体でもそうですし、いろいろな形で評価がちょうど上がってきたところでしたね。 去年、他団体の名前を挙げると大日本プロレスさんだったり、『ジュニアの祭典』も出ていて。他団体で後楽園ホールのメインもシングルでできたこともあってか、ちょっと自信はあったんですけど、その怪我でかなり心が折れたというのもありましたね。 ――それだけの大怪我をするとそう思いますよね。ちょっとプロレスから距離を置いたというところが良かったと思います。やはり人生の充電期間って誰しも必要だと思うんですよね。 そうですね。必要な時間だったかもしれないですね。あのまま道場に帰っていたら、たぶんプロレスは嫌いになって、休業していたかもしれなかったですね。 ――でもそういう1つずつの選択が自分の今を築き上げていることだと思うので、きっとこのあと、それがまたいい形になると思うんですよね。欠場中は本当にいろいろな考えも巡らされたと思いますけども、今回復帰の2月18日に『よし、ここでいこう』という風な最終的な決め手は何だったんですか? 自分の調子を見たときに、意外と自分の性格はいけると思ったらいっちゃうタイプなので。道場に戻ってから練習を続けて、ここだなと思ったのが2月だったんですね。 ②復帰戦の吉田綾斗とのシングルマッチへの意気込み ▼チチャリート・翔暉 復帰戦 シングルマッチ 吉田綾斗 vs チチャリート・翔暉 ――今回、復帰戦の相手として吉田綾斗選手との一騎打ちを希望されたという事ですが、なぜ吉田選手を希望されたのですか? やっぱりやるなら強い人、デカいやつとやりたいなと。やっぱり自分は“負けん気10000%”というニックネームがありますので、やるからにはデカくて強い人間とやりたいなと。 ――なるほど。2AWを象徴するような吉田選手ということで。やっぱり吉田綾斗との戦いには自分の中で燃えるものというのはありますか? 去年1月に2AWのチャンピオンシップで吉田さんと試合したんですよ、シングルで。その頃からやっぱりずっと意識しているものがあって。たぶん吉田さんは自分のことはそんなに、ただの新人くらいの感じでいるとは思うんですけど。 ――全然そんなことはないと思いますよ。チチャ選手の世代も一気に格上げされたからライバルの1人だと思いますよ。 本当ですか。福島興行でもメインで6人タッグやったんですけど、吉田さんが相手にいて試合をしたりとか。何かと大事な場面、場面で試合することがあったので、やっぱり対戦するならこの人かな、というのがあるので。手の内は自分はいっぱい受けてきて分かっているので、今の自分をぶつけるだけですね。 ――今回の欠場期間中に何か新技だとか新しい仕込みみたいなものは自分の中でご用意されているのですか? 一応やってはいるんですけど、今までの自分をもう1度ぶつけてみるのもありかなと。 ――なるほど。