「うちの子、発達障害かも」と思ったらどう叱ればいいのか…その「声かけ」が正しいか確認する効果的な方法
■「自分と同じように理解できる」という前提は取り除く 「わかるように伝える」ことは決して難しいわけではありません。ただ、それを意識しながらやりとりすることは意外と難しいものです。そのうえで意識しておくべき3つの観点を述べます。 その1、まず「人は自分と同じように理解できているはず」という前提を取り除きましょう。「相手は自分の意図通りにことばを理解してくれない(だからこそ伝わるように意識する)」を子どもとのやりとりの前提としましょう。 その2、コミュニケーション場面の仕分け、です。やりとりに必然性があるもの(自分の生活に直結)、子どもにとって興味関心の高いもの、やりとりで使用されることばや場面の経験があるもの、などはコミュニケーションが安定しやすく、かつ本人の不安も低くなります。 絶対に本人が知っておくべき情報(段階1)、知っておくとメリットがある情報(段階2)、できれば知ってほしい情報(段階3)、と3段階に情報を分けて、絶対に知っておくべき情報は本人のことばの理解の上限から半分程度の力で無理なく処理できるようにこちらが提案する必要があります。 その3として、全力を発揮しなくてもわかるコミュニケーション環境です。大事な情報(先ほどの段階1)ほど本人にとって「わかる」媒体で伝えないといけません。車の運転に例えると、標識の意味は絶対知っておくべき情報(段階1)ですね。 誰もがわかるシンボルでわかりやすく示されていることに意味があるわけです。 ■一人ひとりの生活に合った伝え方を よく「この子は口で言ったらわかるので(口頭で注意します)」といった発言を聞きますが、常に最大限の理解力を発揮させ続けていると本人は疲れてしまいます。段階1であれば半分程度(できればそれ以下)の力でも無理なく処理できる形で情報が示される必要があります。 保育園であれば、好きな活動がいつ終わるのか、次に何があるのか、といった情報は段階1に相当します。 一人ひとりの生活の場面ごとに段階1から段階3まで情報を色分けすることができると思います。それぞれの場面でのやりとりを念頭において、どの段階に相当するのかを事前に考えておくとよいです。