運転免許証とマイナンバーカードが1枚に! 実施は2024年末? 本当に便利になるの?
一体化のメリットとは?
では、この運用が開始されると、どんなメリットがあるのでしょうか? まず、条文の後半に「運転免許証とみなす」とあるため、マイナ運転免許証は、運転免許証と同じ扱いになります。つまり、運転する際、運転免許証と一体化したマイナンバーカード1枚のみを携帯していればよく、運転免許証がなくても違反にならないということです。 2枚が1枚になる……ポイントカードやクレジットカードなど、なにかと持ち歩くカード類が多いことを面倒だと感じている人にとっては、メリットだといえますね。 また、警察庁では、以下のようなメリットも挙げています。 1,住所変更手続のワンストップ化ができる 2,居住地外での迅速な運転免許証の更新手続などが可能 3,オンライン更新時講習を受講することができる 1は、引っ越しなどで住所が変わった場合の手続き。現状では、運転免許証は警察署や運転免許センターなどで、マイナンバーカードは市区町村の役所・役場で行うことになっています。それが、もし一体化すれば、手続きの窓口を役所や役場に統一できることが予想できます。 2は、例えば、仕事などで長期の海外赴任をしていて、一時的に帰国した際に、運転免許証の更新を行う場合が考えられます。 基本的に、免許証の更新は、住所地を管轄する公安委員会において行うことになっています。ただし、海外に滞在中などで、外国に生活の本拠があり日本に住所のない人が、一時帰国した際に日本の免許証を更新する場合には、一時滞在先(親や親戚の家など)を住所地として、免許証の更新を行うことができるようになっています。 ただし、この場合も、運転免許センターなどに行く必要があるのですが、もし一体化すれば、市区町村の役所や役場で行うこともできるでしょう。その場合も、ゴールド免許を持つ優良運転者に限られるなど、一定の要件はあるかもしれませんが、遠くにある運転免許センターなどに行くよりも、便利になることが考えられます。 3は、これも警察庁が2024年末までに運用開始を目指しているオンライン更新時講習を受けられるようになるということです。 このオンライン更新講習とは、2022年(令和4年)2月から、北海道、千葉県、京都府、山口県で試験的に実施されているモデル事業のことです。 優良運転者や一般運転者でマイナンバーカードを保有する人を対象に、免許更新時の講習をスマートフォンやパソコンで受講できるというものです。自宅や仕事場など好きな場所で、24時間好きな時に受けられることで、免許更新時の利便性を向上しようという取り組みです。 警察庁では、この運用を、前述の通り、2024年末までに全国に拡大することを進めていて、もし実現すれば、マイナ運転免許証を取得することで、このサービスも受けることも可能となります。 ただし、もしオンライン更新時講習を受けたとしても、現状では、新しい運転免許証の交付を受けるには、従来と同じく更新期間内に運転試験場などに行く必要があります。その意味では、この制度は、あくまで講習の受講を好きな時間に受けられることがメリットだと考えた方がいいかもしれません。