愛知・名古屋の路上アーティストに「ライセンス制度」導入へ
愛知県名古屋市は2015年度から、音楽などに取り組むアーティストに対して、これまで一般的に利用できなかった場所を会場として新たに提供する。対象となるのは、歌手やバンド、ギターの弾き語り、ダンスなど幅広く、市が実施するオーディションに合格したアーティストに認定証が発行されるという。同市内で会場の確保が困難であったアーティストに対し新たな選択肢を提供していくのだが、その一方で、アーティストからは「雨などで中止になった時は柔軟な対応をしてもらえるのか」「提供場所はどこなのか?」といった戸惑いや不安の声も聞かれる。
新たな披露の場、一方で「場所はどこで?」と不安の声も
同制度は「パフォーマーライセンス」と呼び、住所や年齢、プロ・アマ問わず応募できる。第一回のオーディションは今年の夏に行い、数十組のアーティストの認定を予定。より多くの人が年間通して自ら発表できる場を提供することで、アーティストの育成と街の賑わい、活性化に繋げるとし、市が9日に発表した2015年度当初予算案に関連事業費520万円が盛り込まれている。 名古屋市ではこれまで市内各所で行う文化イベントとして、10月の期間を中心に「ナゴヤまちかどアンサンブル」を推進。イベントでは音楽系大学の学生等により演奏活動が行われていたが、期間・場所・出演者が限定的であったことや、街なかで音楽活動ができる場所が欲しいという声が寄せられていた。 そこで市は同制度を創設し、地下鉄駅構内のほか民間事業者が協力する形で、これまで一般的には利用ができなかった場所を提供することに。ミュージシャンにとっては、日頃の活動の成果を多くの人の前で発表できる新たな機会が得られることになる。 オーディションの審査基準は、一定のレベルを有するか、市民が楽しめるかなど。審査員には音楽やダンスなどの関係者を招くことが検討されている。すでに、市には同制度についての問い合わせもあり、そのほとんどが路上などで活動するアーティストからだという。 問い合わせ内容としては新たな制度に期待するという声もある一方で、提供される場所についての質問も寄せられている。“場所選び”が重要なアーティストにとって、同制度の詳細はやはり気になるようだ。