PFAS発生源は「活性炭が妥当」と報告書提出 岡山県吉備中央町長に原因究明委
岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、有識者でつくる町の原因究明委員会は5日、山本雅則町長に報告書を提出した。町内の資材置き場に置かれていた使用済み活性炭が「発生源と考えることが妥当」と結論付け、資材置き場の土壌の除去を含む汚染対策を提示している。 報告書は、資材置き場周辺のボーリングをはじめ県や町の調査で、資材置き場の使用済み活性炭、周辺の表層や地下の土壌、地下水からそれぞれ高濃度のPFASが検出され、上流ではほとんど検出されなかったと指摘。使用済み活性炭から溶出し、表層土壌から地下水へ混入したと考えることが妥当とまとめた。 対策としては資材置き場の土壌を掘削除去して清浄な土壌で埋め戻した後、コンクリートやアスファルトで覆うことで流出を低減する手法が効果的としている。 5日、町賀陽庁舎であった第4回会合終了後、委員長の小松満岡山大学術研究院教授が記者会見。原因の断定は困難とした上で「妥当な見解として結論を出した」と説明した。 山本町長は「重要な意見を真摯(しんし)に受け止める。早期の対策実施へ関係者と協議を進めたい」と述べた。 問題は、町が2023年10月、20年度以降に高濃度のPFASを浄水場から検出していたと公表して発覚。県に虚偽の内容を伝えるなど町の不適切な対応も判明した。町は、不適正な事務処理を検証する第三者委、健康影響対策委、原因究明委を設置。今回で、3委員会全ての報告書提出が完了した。 町は全国初の公費による血液検査を決め、10月にも実施予定。資材置き場で使用済み活性炭を多数保管していた地元企業に対して、1億円超とみられる損害賠償を請求している。