ひとり親家庭 ラグジュアリーホテルでスペシャル体験「お母さんとの思い出ずっと残ると思う」夏休みに深刻な子どもの体験格差、解消へ一歩
「格別です!いつも食べているのと全然違う」。中学3年生のリョウ君(仮名)は、慣れないナイフとフォークに四苦八苦しながらも、デミグラスソースがたっぷりかかったハンバーグをおいしそうにほおばりました。その姿を見守るお母さんのエリさん(仮名)と顔を見合わせてにっこり。二人がいま幸せな時間を過ごしていることは間違いないようです。 【画像を見る】「いつか泊まりたいね」「娘に見せられて嬉しい」ツアーに参加した親子たち
「まるで外国に来たみたい」緊張しながら会話弾む
8月23日、ひとり親支援団体「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」が企画した「東京ステーションホテル食事会」に、ひとり親家庭の親子21組・約50人が参加、応募総数が230組もあった狭き門でした。親子はまず、ホテルツアーで豪華な客室を見学し、精緻な調度品や歴史ある建物の説明を受けます。「まるで外国に来たみたい」という声やため息、緊張しながらも弾む親子の会話が聞こえてきます。 ツアーの後は、東京駅舎の屋根裏にあたるゲストラウンジ・アトリウムでテーブルマナーを学びながらコース料理に舌鼓を打ちました。 メニューは ・スモークサーモンと無農薬野菜のサラダ ・仙台牛ハンバーグステーキ&ローストビーフ キノコ入りデミグラスソース ターメリックライス添え ・マスクメロンのショートケーキ 季節のアイスクリーム添え
リョウ君、プロの仕事に興奮「パーフェクトだと思った」
テーブルマナーの講師は、東京ステーションホテル料飲マネージャーの深澤聡史さん。この日のためにパワーポイントで投影資料を作り、テーブルマナーの心得、高級レストランでの椅子の座り方、正しい乾杯のやり方、ナプキンやカトラリーの正式な使い方など本格的なマナーを、時間をかけて丁寧に伝えます。子どもたちもお母さんも集中して聞き入っていました。 エリさんは、「子どもが大人になって初めて体験して恥ずかしい思いをするより、今こうしてテーブルマナーを失敗しながら学べることはありがたい」と話します。一方、リョウ君は「サービススタッフが腕の上に何皿も料理を載せて運んだり、細やかな気遣いをしているのを見てパーフェクトだと思った」とプロの仕事ぶりに興奮を隠せません。