フジテレビの「上垣アナいじりが許せない!」という人の盲点 本当の被害者と加害者は誰なのか? その本質が見落とされている
ネット上の批判で最も目立つのは、「容姿イジリは許せない」「このイジリ方はイジメではないか」という声。自分が容姿に関するイジリを受けたことがある人もいるでしょうし、それをイジメと感じた人もいるのかもしれません。ただそれでも今回の件は言葉だけを取って「イジリ」「イジメ」と断罪するには多少の無理があります。 その理由は主に以下の3点。 1つ目は、上垣アナがメディアの出演者であり、さらにお天気キャスターデビューのタイミングだったこと。メディアの出演者は顔と名前を覚えてもらうところからスタートしますが、その際、出演者やスタッフからさまざまな形で盛り立ててもらい、番組の一員として認識されていくというステップを踏んでいきます。
上垣アナでいえば入社した4月の段階から新人らしからぬ落ち着いたたたずまいと言動がフィーチャーされ、動画で問題視されている発言につながる流れがありました。つまり、「まずはこのキャラクターで視聴者に顔と名前を覚えてもらい、現場の共演者やスタッフにも溶け込んでいこう」というコミュニケーションの入り口としての要素があったのです。 ■動画の前からキャラが浸透していた また、上垣アナがどんなに落ち着いて見えても、当時は入社3カ月程度の新人。さらに兵庫県生まれで大阪の大学に通っていたため、東京での生活がはじまったばかり。技術や経験の差に加えて、すでに関係性が構築されている東京の現場に後から入ることは簡単ではないでしょう。
本人が緊張していたかどうかはわかりませんが、動画を見る限り、3人の先輩アナは「緊張をほぐしてあげよう」という意味も込めてあのような言葉をかけた様子が伝わってきました。 もともと生放送におけるCM中の会話には「本番での緊張をほぐす」「表情や口元をゆるめる」などの意味合いもあり、「デビューとなる上垣アナのために沈黙を避けよう」という意図が感じられます。もちろん違う言い方もできたでしょうし、その点は多少の指摘を受けても仕方がないところでしょう。