新NISAつみたて投資枠対象投信研究(3)、バランス型残高トップは株式と債券を半々、パフォーマンスは?
その対象投資信託の中で、最も純資産残高が大きいのは「セゾン・グローバルバランスファンド」の4880億円だ。株式型のファンドと比較すると、バランス型は全体的に残高が小さくなっている。同ファンドは、国内外の株式や債券に投資するインデックス型の外国投資証券への投資を通じて世界30カ国以上の株式、および、10カ国以上の債券に実質的に分散投資する。原則として株式と債券への投資比率は50%ずつとする。3年(年率)トータルリターンは11.37%とバランス型の中では高いパフォーマンスとなり、運用コスト(信託報酬)も年0.5599%(税込み)と比較的低い水準に抑えてある。次に大きいのは「世界経済インデックスファンド」で残高は3159億円だ。同ファンドは、原則として株式と債券への投資比率を50%ずつとして、地域別の組み入れ比率をGDP(国内総生産)総額の比率を参考に決定する。たとえば、IMFの世界経済見通しの2023年10月のデータでは、先進国(除く日本)55%、日本が10%、新興国が35%という割合であったため、それに応じて株式と債券の地域別投資比率を決定している。こちらも、3年(年率)リターンが10.29%と2ケタを確保し、運用コストは年0.55%(税込み)と比較的低い。
そして、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」が第3位で残高は2785億円。国内・先進国・新興国の株式と債券、そして、内外のREITという8資産に均等に資産配分する。3年(年率)リターンは8.21%と劣るが運用コストは年0.143%とバランス型の中では非常に低い。第4位は「のむラップ・ファンド(積極型)」で残高は2537億円。国内外の株式やREIT、そして、債券にバランス投資し、その時々の経済情勢に応じて資産配分比率を柔軟に見直す運用をするバランス型のアクティブファンドだ。「のむラップ・ファンド」には「保守型」から「積極型」まで5段階のリスクに応じたコースがあり、「積極型」は最もリスクが高いコースで、株式やREITなどリスク商品への投資比率が80%弱の水準になっている。過去3年(年率)リターンは12.98%とバランス型の中では高い。運用コストは年1.518%(税込み)と比較的高い水準になっている。バランス型を選ぶ場合には、パフォーマンスの水準と運用コストの水準等を良く比較して選ぶようにしたい。