「本番につながらない」から重要ステップに 紫苑S変遷の歴史
今では秋華賞の重要ステップレースとなった紫苑ステークス(3歳牝・GII・芝2000m)だが、創設当初は本番につながらないトライアルとして知られた。しかし、オープン特別からGIII、GIIに格上げされるにつれて、本番との相関関係は強まった。レースの変遷を振り返るとともに、紫苑Sをステップに本番で好走した馬を紹介する。 紫苑Sは00年に3歳牝馬限定のオープン特別として創設され、2着までに秋華賞の優先出走権が与えられた。01年に紫苑Sを制したレディパステル、02年に同2着のシアリアスバイオがともに本番で3着となったが、その後は苦戦が続いた。待望の初制覇は14年、後にジャパンC覇者となるショウナンパンドラだった。結局、15年までのオープン特別時代に限ると、秋華賞では[1-0-2-60]の勝率1.6%、複勝率4.8%だから、大苦戦が続いた。 しかし、16年にGIIIに昇格すると、一気に重要ステップレースとなった。この年、ヴィブロスが1着、パールコードが2着となり、いきなりワンツー。その後も17年1着のディアドラ、19年2着のカレンブーケドールなど、続々と好走馬を送り出す。そして22年には紫苑S組で4頭目の勝ち馬となるスタニングローズが登場した。GII昇格元年の昨年は惜しくも馬券圏内に入ることができなかったが、今後も紫苑S組が秋華賞を沸かせることは間違いない。 今年もフルゲート割れではあるものの、多くの実績馬、良血馬がエントリーしてきた。どの馬が本番の優先出走権を獲得するのか。そして秋華賞で好勝負を演じることはできるのか。1カ月後の本番に向けて、要注目の一戦となる。