MCTオイルって何?あまり知られていない健康効果とは
肝機能の数値が悪化、それでも飲み会がやめられない
蓄積すると糖尿病や心臓病などのリスクを高める内臓脂肪は、ダイエットしても減りにくいとされ、多くの人にとって悩みの種です。なかでも、肝臓に脂肪細胞がたまってしまう「脂肪肝」に悩む人は少なくありません。そんな中で最近は、脂肪を燃焼させる働きがあるという食用油「MCTオイル」が注目されています。MCTオイルの効果のメカニズムや、食事に取り入れる際の注意点などについて、MCTオイルに詳しい医師の齋藤真理子さんに聞きました。 脂肪肝に関する悩みを抱える人の声は、読売新聞の掲示板サイト「発言小町」にもたびたび寄せられています。トピ主「yashua」さんも、その一人。 トピ主さんの20代後半の夫は、勤務先で健康診断を受けるようになって、肝機能の指標であるγ-GTPの数値が悪化していることがわかりました。γ-GTPの基準値は男性で50IU/l(国際単位/リットル)とされていますが、トピ主さんの夫は「常に200~300(IU/l)は当たり前、直近だと443」といい、医師からは脂肪肝と診断されたそう。 このため「yashua」さんは、夫の食事面を改善しようと、白米から玄米へ切り替えたり、揚げ物を作るのをほぼやめたり、肉料理では脂分の少ない部位を使ったり、なるべく魚料理にしたり、「ヘルシーだけどおいしく食べられるように」と試行錯誤しています。ところが、当の夫は接待などの宴会が多いうえに、「お酒を飲まないことで場の雰囲気がしらけるのが嫌」と言い放ち、脂肪肝の原因の一つとされる飲酒を控える考えはない様子。夫をどう説得するか、トピ主さんは途方に暮れています。
更年期女性には非アルコール性脂肪肝も
お酒を一滴も飲まない人でも、脂肪肝になるケースはあります。「非アルコール性脂肪肝」のタイトルで投稿したのは、57歳の女性「やせ杉」さん。身長165センチ、体重48キロのスリムな体形で、まったくお酒を飲まないのに、健康診断で「脂肪肝」と診断され、「更年期の女性にありがちなこと」と言われたそうです。 その後、専門医の食事指導を半年以上、受け続けてきましたが、脂肪肝はあまり改善されず。それでも努力は続けており、「主食(糖質)や甘い物をガマンの毎日がツライです。同じ病気と闘っている方、励まし合いませんか(泣)」と発言小町に打ち明けました。 この2人の投稿を、医療法人社団「山本メディカルセンター」(神奈川県逗子市)理事長の齋藤真理子さんに読んでもらいました。齋藤さんは、食事から摂取する栄養素が体の細胞(分子)レベルでどう作用するのかを研究する「分子栄養学」の認定医の資格を持ち、昨年12月に著書『「内臓脂肪がなかなか減らない!」という人でも勝手に内臓脂肪が落ちていく食事術』(アスコム)を出版しました。 「お二人とも、脂肪肝と診断されたという体験談ですね。脂肪肝は、肝臓に過剰な脂肪が蓄積された状態です。冷蔵庫に例えるなら、モノがパンパンに詰まっていて、必要なものを取り出したくてもできない状態。肝臓の大切な機能である代謝やエネルギーの貯蔵、解毒、胆汁の生成ができなくなって、放置すると肝炎や肝硬変などにつながります。脂肪肝のうちに改善しておく必要があるのです」と齋藤さんは警鐘を鳴らします。