満月の夜は野生動物と車との衝突事故が増えることを研究が示唆
研究結果の解釈には限界あり
ただし両氏は、この研究に限界があることも認めています。例えば農村部は都市部と比べて野生動物が多く、その分だけ衝突事故の件数が増えるため、統計的に有意な相関があるように見えているだけかもしれません。 また、仮にこの研究が示唆するように、満月の明るさが野生動物の行動を変化させているとしても、その理由は不明です。新月の時と比べれば、満月は周りが明るく見通しが効くため、野生動物の行動がより大胆になるのかもしれません。しかし両氏は動物行動学の専門家ではなく、また今回の研究では動物の種類を区別していないため、この推定が妥当かどうかはわかりません。 ただし、今のところは、この研究は車のドライバーが心がけるべき情報を与えるものであると捉えることができます。満月の夜は普段よりも明るいですが、それでも十分暗いです。多少の明るさに惑わされず、慎重な運転を心がけるべきでしょう。 Source Kentaro Iio & Dominique Lord. “Does wildlife-vehicle collision frequency increase on full moon nights? A case-crossover analysis”. (Transportation Research Part D: Transport and Environment) Justin Agan. “Vehicle Collisions With Wildlife Increase During The Full Moon”. (Texas A&M University)
彩恵りり / sorae編集部