ダイハツ不正、背景に人員削減 衝突試験部署はピークの3分の1
ダイハツ工業の認証不正を調査した第三者委員会の報告書は、自動車の安全試験や認証に関わる部署の人員削減が不正の一因になっていたことを示唆した。衝突試験などを担う安全性能部署の人員数は、ピークだった2010年比で22年は3分の1に減っていた。車の短期開発に加え、人員削減に象徴される品質軽視も不正拡大の背景にあった可能性が高い。 第三者委が新たに認定した不正は174件に及んだ。認証試験に不合格となって計画が狂うことを防ぐため、試験車両に加工を施したり、認証手続きのチェック機能を担う「法規認証室」が虚偽の書類を作成したりした。 報告書によると、コスト低減の一環で安全性能部署は11年から人数が減少。14年以降はピーク時の4割以下にとどまった。認証室の人員も減り、09年比で15年は43%となった。不正件数は15年が最多だった。 第三者委が実施した社員らへの聞き取りでも「開発日程の厳しさに対して人員が圧倒的に不足している」「型式指定制度の重みを正しく理解できている人が少ない」といった声が寄せられた。