「グループで集まっても、気がつけば一人ぼっちに…」“孤立”しがちな人が無意識にやっていること
グループでいつも一人ぼっち…そんなあなたへ
1対1の付き合いならまだしも、大勢のグループになってしまうと、気づくとポツン…になってしまう。コミュニケーションを苦手とする人のあるあるだと思います。 【あわせて読みたい】「話すのが苦手」は性格の問題じゃない!誰でも“話し上手”になれるコミュニケーション上達法 それは、もしかしたらあなたのコミュニケーションの仕方に原因があるのかもしれません。 そこで今回は、40年にわたってコミュニケーションの講義を続けてきた、教育学者の齋藤孝先生の著書『「考えすぎて言葉が出ない」がなくなる』(サンマーク出版)から“大勢の集まりで一人になりがちなのは、なぜですか?”というトピックスをご紹介。 大勢でのグループになると、なぜか孤立してしまうと感じている人に、意識してほしい3つのポイントとは? また、上手に輪に”参加”する方法も伝授!
大勢の集まりで一人になりがちなのは、なぜですか?
何かの集まりでも、なぜか一人になりやすい、という人は、こんなことを意識してみてください。 <目線が下だと話しかけづらい> 「街で見かけたけれど、声をかけづらそうな雰囲気だったので……」とか「何だかいつも怒ってない?」と言われやすい人の多くは、目線が下を向いています。 これはアイコンタクトがしづらい状態です。そのため、コミュニケーションを拒否しているように映ってしまいます。 自ら「近寄るなオーラ」を出したい場合は別ですが、誰かと楽しく過ごしたいときには残念な状況です。 目線を上げて、心の中で「あ、どうも」のタイミングをはかる練習をしながら歩いてみましょう。周りに対して軽く反応できるセンサーを張り巡らせると、他人に与える雰囲気が柔らかくなります。 <表情が変わらない人も声をかけづらい> あまり表情が変わらない人にも、声をかけづらいです。これは45歳以上の男性に多いですが、年齢を重ねると、だんだん表情筋が動かなくなっていきます。軽く体を動かしたり、手先をこすって温めるなどして、筋肉を目覚めさせましょう。トイレの鏡に向かって笑顔をつくったり、声を出さずに「アイウエオ」の発声練習をしたりしてもいいですね。 面白いことに、講演会などで千人のおじさんを相手にするときに、その場で軽くジャンプしてもらうと、とても盛り上がるのです。表情筋も緩んで、よく笑うようになります。 とはいえ人前でジャンプばかりするのはおかしいので、軽く膝を曲げ伸ばしするなどして鈍った細胞を目覚めさせ、快活な気分を取り戻しましょう。 <間口を広げる> 自分自身のコミュニケーションの間口を広くしておくことも大事です。 今の社会の傾向として、男女にかかわらず、相手を受け入れるかどうかを第一印象のみで判断してしまう方が多い印象を受けます。宅配便のやりとりのように、玄関先でチラッと見て荷物だけ受け取り、すぐにドアを閉めてしまう。 他人に対する警戒感が非常に高くなっているように思います。 間口が狭いと、そもそもの出会い自体が成立しにくくなります。ですから、自分の側の受け入れ窓口は、できるだけオープンにしておきたいものです。 気が合う相手を狙って一本釣りするのではなく、誰でもどうぞという感覚でゆったりと待つ。目が合ったら軽く会釈をして、「あ、どうも」と話に入る。 そんな余裕のある姿勢が、人の関心を引きつけるのではないでしょうか。 次回は、うまく話しに入れない時の上手な対処法をご紹介します。
〈著者プロフィール〉齋藤 孝(さいとう・たかし)
1960年静岡生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、2002年新語・流行語大賞ベスト10、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。著書に『いつも「話が浅い」人、なぜか「話が深い」人』(詩想社)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)、『話がうまい人の頭の中』(リベラル新書)等多数。著者累計発行部数は、1000万部を超える。テレビ出演多数。
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