売れない営業が気付いていないダメな「口癖」 クセを直すために効果的なトレーニングとは
トレーニング方法は、「ロープレを録音し、文字起こしし、自分の無駄な表現や癖を分析する。癖を意識してロープレを行う」こと。一方で、なぜ完全にゼロを目指さないのかと言うと、例えば「あの~」などに関しては、間をつなぐために意図的に使うシーンもあるからです。私たちの商談では、25分~30分を1パートにすることが多いので、その中でトータルで5回以内ならOKという形にしています。 このトレーニングを実践すると、大変おもしろい現象が発生します。最初はどうしても「あの~」「え~と」と言ってしまうのですが、だんだんそれを自覚するようになります。そうなると、ひげ言葉をグッと飲み込んで、「このあと自分は何を言おうとしていたか」を、頭の中で反芻(はんすう)するようになります。不用意に話をするのが怖くなり、少しゆっくりめに話をするようになるのですね。
■新たに生まれる口癖もNGワードに加えていく その後、次第にひげ言葉の代用となるワードを使うという「副次的効果」が見られるようになります。 ひげ言葉は、元々話すことが浮かばないときにつなぎに使う言葉です。それを禁止すると、新たなつなぎの言葉を使いたくなるのです。弊社では、「ある種」とか「あらためて」という言葉を多用するようになる人が多いようです。 録音すると、どんな言葉を多用しているかわかりますから、それらもNGワードに加えていきます。その言葉を使うこと自体が絶対的な悪ということではなく、自分が意図した通りに話せることが大事なのです。それを納得してもらったうえで、トレーニングを強化していくことで、話すスキルが格段に向上していきます。
アナウンサーであれば、ひげ言葉は当然使わないものですが、そのような職種では台本があることが多いです。言葉のキャッチボールというよりプレゼンに近いコミュニケーションであり、プレゼンであれば、誰でも練習次第でひげ言葉をほぼなくすことが可能です。 しかし商談という人と人との会話の中で、ひげ言葉を完全に抜くことはかなり難しいです。まずは、商談でひげ言葉をどれだけ使っているかを可視化することが大切です。「ひげ言葉禁止令」を出し、録音したうえでチェックし、癖を直していくという「筋トレ」をしてもらうのがよいでしょう。
竹内 孝太朗 :モノグサ株式会社CEO