「ランピースキン病」九州で感染拡大懸念 どんな病気?人への影響は?
牛の伝染病「ランピースキン病」が今月6日、全国で初めて福岡県で確認されました。熊本でも感染が確認され感染拡大が懸念されています。「ランピースキン病」とはどういった病気なのか?人への影響は? 【写真を見る】「ランピースキン病」九州で感染拡大懸念 どんな病気?人への影響は? ■ランピースキン病とは 「ランピースキン病」は「ランピースキン病ウイルス」によって引き起こされる牛の病気です。農林水産省は「本病は牛の病気であり、人に感染することはない」としています。 主にアフリカで広がっていた病気でしたが、中近東の国々に波及し、2015年にはトルコを経由し、東南ヨーロッパ、そしてアジアへと拡大しています。 ■日本初確認 農林水産省によりますと11月6日、福岡県で初めて乳牛への感染が確認され、20日までに福岡県の8農場と、熊本県の1農場で発生が確認されています。 ■どうやって広がる? ランピースキン病は主に「蚊」などの吸血昆虫が媒介し、感染を広げます。 【伝播方法】 ・蚊、ハエ、ダニなどによって機械的に伝播。 ・汚染された飼料、水、器具を介して感染。 (肉による伝播リスクは無視できる) ■症状は? 感染すると皮膚の結節や、発熱、鼻や目の出血、乳汁の減少などの症状が出ます。症状が表に出ないものから重篤なものまで様々で、症状が出ていない感染牛の移動も感染拡大の要因になります。 死亡率は1~5%と高くありませんが、泌乳ピーク期の乳牛や子牛で症状が重いため、生産性の低下や風評被害などが懸念されています。 ■現状の対策は? 福岡県は18日、家畜伝染病予防法に基づき、発生農場から半径20キロ以内の50農場に対して、牛へのワクチン接種を命令しました。ワクチンを打つことで、牛の免疫力を高めて感染を防ぐことができます。 長崎県によりますと、九州では酪農家同士で日常的に牛のやり取りをしていることから、感染の広がりが懸念されているということです。 長崎県では農家に対し、皮膚に異変がないかなどの「健康観察」や媒介する害虫の駆除を呼びかけています。
長崎放送