アウディ参戦まであと2年、ザウバー/ステークF1の課題をボッタス指摘「風洞から実車に載せるまでの時間が長い」
2024年シーズンからステークF1として戦うことになったザウバー。ドライバーのバルテリ・ボッタスは、このチームが改善しなくてはいけない点として、アップデートの反応速度だと語った。 【ギャラリー】ザ・ヒストリー・オブ・ザウバー ザウバー(当時はアルファロメオ)に2022年シーズンから加入したボッタスは、新レギュレーション当初からマシンが最低重量に達していたことを活かし、好調なパフォーマンスを発揮して開幕9戦中7戦で入賞を記録。良好なスタートを切った。 しかしその後チームは開発競争に飲み込まれて後退しシーズンをコンストラクターズランキング6位で終えた。そして2023年シーズンはより苦しみランキング9位とさらに後退してしまった。 2026年からはアウディF1として参戦することになるザウバー。ボッタスは現在のチームが改善すべき点は、風洞実験における知見を実際のマシンに搭載するまでの”ラグ”が大きいことだと語っている。 「僕らにとって現時点で(対処すべき領域は)アップデートをどうやって好転させるかだろう」 「今は風洞で何かを見つけても、それを実際のマシンに載せるにはどれだけ時間がかかるか……つまり僕としては、その点が他の要素と比べてもかなり大きな要素だってことだ」 ザウバーは2023年シーズン中盤、かつてチームに在籍していたジェームス・キーをテクニカルディレクターとして再び迎えている。ボッタスは彼を含めた初めてのミーティングで、シャシーバランスと空力特性も改善の必要があると伝えたという。 「メカニカル的には、バランスツールの面でいくつか問題があるけど、それはエアロ面でも同様だ」とボッタスは言う。 「(ジェームス・キーは)全ての数値やマシンの空力挙動、ヨー、ピッチ、ロールを確認していた。彼はマクラーレンのエアロマップがどんなものだったのかつい最近まで見てきた。彼は改善の余地があるということに、間違いなく同意できるモノを目の当たりにしたんだ」 「もちろん、そういう役割を務めてきた男の頭脳が回転し始めているし、たくさんのアイデアが湧いて来ている。僕は彼のような人物は好ましく思うよ」 「彼は成果を出すというとても大きなモチベーションを抱いているようだったし、上手くやりたいと思っているはずだよ」 なおボッタスは2022年に移籍するまではチャンピオンチームのメルセデスで5年過ごしてきた。そのためザウバーでは施設面で物足りない点もあったと言う。 「いくつかのメカはちょっと古くなっている。でもチームは今、そういった面で不足が無いようにしようとしてくれていると思う。ただ、まだ違いはあるんだ」 「良い点は風洞が非常に優れているということだ。カーボンを焼くオーブンの数なんかも良いよ。あとはヒューマンパワーだ。ラミネート(樹脂)加工をする人が少ないね」