ママ友が子どもを将来「弁護士」にしたいと言っています。実際、いくらの教育費がかかるものでしょうか?
法科大学院在学中にかかる費用
法科大学院は法曹養成のための専門職大学院で、文部科学省「法科大学院一覧」によると、 2023年時点では国立15校、公立2校、私立17校の大学が入学者選抜を実施しているようです。文部科学省「令和4年度法科大学院関係状況調査」をもとに、国立の法科大学院に入学した場合にかかる授業料と入学料を、表1にまとめました。 【表1】
文部科学省「令和4年度法科大学院関係状況調査」より筆者作成 授業料・入学料のほかに施設整備費、その他諸経費を徴収している学校もありますが、金額は少額です。大学、法科大学院のいずれも国立の場合、大学受験から法科大学院卒業までにトータルで670万円程度の費用がかかる計算となります。 また、私立の法科大学院の場合は学校ごとに費用が異なり、さらに100万円単位の費用がかかることも想定する必要があります。
司法試験の受験にかかる費用
司法試験を受験する際には、手数料2万8000円がかかります。1回の受験で合格できなければ、受験回数×2万8000円が必要です。 また、試験対策の予備校に通う費用も考慮する必要があります。予備校によって金額には開きがあり、年間数万円~140万円程度が相場です。140万円の講座に1年間通えば、国立大学受験~国立法科大学院在学中の費用と合わせて、800万円以上が必要となる計算です。
司法修習生になると給料(給付金)がもらえる
裁判所「司法修習生の修習給付金について」によると、司法修習生になると、国から次の修習給付金が給付されるようです。 ●基本給付金:1月あたり13万5000円 ●住居給付金:1月あたり3万5000円 ●移転給付金:最高裁判所の定める路程に応じた金額 学生ではなくなり教育費の負担はなくなりますが、修習給付金の金額は独立して生活するのに十分とはいえません。弁護士として就職するまでは、生活費の負担が続く可能性があるようです。
子どもを弁護士にするには多額の費用がかかる
子どもを弁護士にしようとすると、国立大学、国立法科大学院を浪人・留年なしに修了して、1年目で司法試験に合格できたとしても、670万円程度の費用が必要となる計算です。私立校を進学先に選んだ場合は、1000万円近い教育費がかかることを覚悟する必要があるでしょう。 弁護士という難関の職業に子どもを就かせたいと希望するなら、親も将来に備えて教育費の準備を万端にしておくことが大切です。 出典 日本弁護士連合会 弁護士になるには 日本政策金融公庫 教育費に関する調査結果 文部科学省 法科大学院一覧 文部科学省 令和4年度法科大学院関係状況調査 法務省 令和5年司法試験に関するQ&A Q72 受験手数料はいくらですか 裁判所 司法修習生の修習給付金について 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部