阪神大震災からの復興象徴した噴水「ビッグ・フェニックス」、財政難で休止へ…兵庫県宝塚市
兵庫県宝塚市は、阪神大震災からの復興の象徴として整備した武庫川内の観光噴水を12月上旬、財政難で休止する。宝塚大劇場を背景に不死鳥が羽を広げたように水柱が立つ仕掛けで、「ビッグ・フェニックス」と呼ばれて親しまれていた。 【写真】宝塚大劇場を背景にライトアップされた観光噴水(2014年3月、宝塚市で)
宝塚市内では、震災で家屋3559棟が全壊。119人が亡くなった。
観光噴水は1969年に設置され、震災で故障。復興に進む街の名所にしようと、県と市が2001年に約1億5800万円をかけて2代目を整備した。27本のノズルで最高約20メートルまで水を噴き上げる。夜間はライトアップし、観光客を楽しませてきた。
しかし、11年以降、水を吸い上げるポンプが相次いで故障。現在は6基のうち正常に動いているのは1基だけで、ノズルは6本しか稼働していない。修繕には多額の費用がかかるため、市は休止を決定。維持費など年136万円を削減できる。
近くの中州で、震災犠牲者を追悼する「生」の字の石積みオブジェを制作する現代美術家の大野良平さん(65)は「石積みとともに震災を継承するシンボルだったので残念」と話した。