【財政検証の結果】老後、わたしたちの公的年金はどうなるのか?「所得代替率」の見通し3パターン
被用者保険の適用拡大をおこなった場合の所得代替率はどうなるか
財政検証では、厚生年金保険の加入対象者を増やした場合の所得代替率の見通しも公表しています。 加入対象者の企業規模要件廃止や短時間労働者の賃金要件の撤廃をおこない対象者を200万人拡大した場合、過去30年投影ベースの経済成長で試算すると、所得代替率は2052年に51.8%となり、2052年以降は51.8%が続きます。 そのため、対象者の適用拡大が実現すれば、所得代替率は上昇することを覚えておきましょう。
基礎年金の拠出期間を延長した場合の所得代替率はどうなるか
財政検証では、基礎年金の保険料支払い期間を現行の20~59歳から20~64歳に延長した場合の所得代替率の見通しも算出しています。 保険料支払期間を20~64歳までに延長した場合、過去30年投影ベースの経済成長を前提とした際の所得代替率は2055年までに57.3%となり、2055年以降は57.3%が続きます。 保険料の支払期間延長に反対する人も多いですが、将来もらえる年金額は増えることを覚えておきましょう。
年金以外の備えを始めよう
本記事で紹介したとおり、将来もらえる年金の水準は現在と比べて減少します。 そのため、年金以外にも老後対策を自分で始めることが重要です。 今は新NISAやiDeCoなどの老後対策に有効な制度もあるため、ぜひ利用を検討してみてください。
参考資料
・厚生労働省「令和6年 <2024> 年財政検証結果の概要」
苛原 寛